デザイン

どのアプリの絵文字が「実際に使えるはさみの絵文字」なのか?


絵文字は文字コードの業界規格である「Unicode」で定義されているものの、OSやアプリごとにその表現は微妙に異なります。そのため、例えばチーズバーガーの絵文字がAppleとGoogleで異なることが話題になったこともあります。そんなアプリごとに異なる絵文字の微妙な差異に目をつけたブロガーのwh0さんが、「はさみとして実用的なのはどのアプリの絵文字なのか?」という考察を行っています。

Which emoji scissors close
https://wh0.github.io/2020/01/02/scissors.html

絵文字版WikipediaのEmojipediaで公開されているはさみの絵文字を元に、wh0さんは「刃が閉じた状態のはさみの絵文字」を独自に作成し、各アプリのはさみの絵文字はどれが実用的なのかを評価しています。

wh0さんは、それぞれの絵文字を「左利き用はさみ」「右利き用はさみ」「描写不足」の3種類に分類しています。

◆左利き用はさみ
・Facebook Messenger
Facebookが提供するメッセージサービスやテキスト・音声通信用のメッセージアプリケーションFacebook Messengerのはさみの絵文字は、光沢によって厚みが表現された紫色の取っ手が特徴的。全体的に丸っこいデザインで、刃が重なる「要(かなめ)」部分で2つの刃をつなぐ要ネジは、ほとんど刃と区別がつきません。


wh0さんが作成した「刃が閉じた状態」バージョンはこんな感じ。先に取っ手部分がぶつかり合ってしまうため、刃が完全に閉じることはありません。wh0さんは、「切るときに刃の半分は使い物になりません」とコメントしています。


・Samsung
Samsungのスマートフォンに搭載されたはさみの絵文字が以下。指を通す部分である「指環」同士がぶつかる位置に「ヒットポイント」と呼ばれる出っ張り部分が描かれていたり、刃の中でも実際にものを切る部分である「小刃」が描かれていたり、要ネジの判別がついたりと、見た目的にはかなりリアルなはさみになっています。


しかし、Samsungのはさみの絵文字は刃を完全に閉じることができないことが、wh0さんが作成した画像から明らかに。wh0さんは「Samsungの絵文字も刃の半分しか使えない」と非難しながらも、「全体的なデザインはFacebook Messengerよりはマシ」とコメントしています。


・JoyPixels
オープンソースの絵文字ライブラリ「EmojiOne」を前身とするJoyPixelsの絵文字は、赤い取っ手のはさみ。丸みを帯びた取っ手部分とは対照的な細めの刃には小刃がしっかりと描かれており、リアルさとシンプルさを両立しています。


JoyPixelsのはさみの絵文字は、2つの刃を重ねることが可能。厳密にいえば2つの刃はピッタリとは重ならないそうですが、wh0さんは「誤差の範囲内」と述べて、「とても素晴らしい」「左利きのはさみの中では金メダル」と賛辞を贈っています。


◆右利き用はさみ
・Microsoft
Microsoftのはさみの絵文字は、現実からはほど遠い抽象化された絵柄。輪郭部分は黒塗りになっています。


wh0さんは「黒い輪郭部分ははさみの一部ではなく、単なるデザイン」として「黒い輪郭部分以外をはさみ」だと仮定。しかし、その仮定の上でも、Microsoftのはさみはまったく閉じられず、使い物になりません。wh0さんは「見ているとイライラする」と不満を表明しています。


・Apple
Appleのはさみの絵文字は、指環部分がかなりの大きさ。小刃や要ネジなどは描かれています。


大きめの指環部分があだとなって、Appleのはさみは刃を閉じられません。wh0さんは「かなり頑丈に見えるが、全く使い物にならない」と端的に述べています。


・Google
Googleのはさみの絵文字は要ネジがハッキリしていますが、小刃は描かれていません。


そんなGoogleのはさみは、閉じられた状態よりもさらに刃を交差させられてしまいます。その特徴ゆえに、wh0さんは「このはさみは、右利き用なのか左利き用なのか明確ではない」と記しています。


・Facebook
Facebookのはさみの絵文字は、指環部分が外側に曲がったようなデザイン。


他社の絵文字の多くが「刃が閉じる前に指環部分が先にぶつかる」という理由で使い物にならないと判定されています。それゆえ、指環部分が干渉しにくいようなデザインのFacebookのはさみは一見良さそうに見えますが、wh0さんは「要ネジに近い取っ手部分がぶつかる」として、Facebookのはさみの絵文字も「やはりほとんど使い物にならない」と判定しました。


・WhatsApp
世界最大のスマートフォン向けインスタントメッセンジャーアプリケーションのWhatsApp Messengerに搭載されたはさみの絵文字は、取っ手部分が下側で、刃が上側にきています。


WhatsAppのはさみを閉じるようとすると、はさみの刃は「ほぼ完全に閉じる」とのこと。この結果に「素晴らしい」とwh0さんは賛辞を寄せました。


・emojidex(絵文字デックス)
自分で作った絵文字を投稿することも可能な絵文字デックスが提供するはさみの絵文字は、やや斜めに傾いています。刃は黒と白の2色に分かれており、光の反射を表現。2つの指環の間には、ヒットポイントがしっかり描かれています。


絵文字デックスのはさみは、「ほぼ完璧に閉じる」とwh0さんは褒め上げました。


・LG
LGのはさみの絵文字が以下。銀色単色の医療用はさみのような見た目。


そんなLGのはさみは、完璧に閉じられるとのこと。wh0さんは「実用に耐えられるはさみの絵文字1位は、LGです」と絶賛しました。


また、wh0さんは「左利き用」「右利き用」のはさみの他に、「描写不足」という分類もしています。

◆描写不足
・Twitter
Twitterの絵文字は左利き用のはさみ。


wh0さんを悩ませた問題は、「アーム」と呼ばれる指環以外の取っ手部分(以下の赤枠部分)の厚みです。


絵柄的には、アーム部分は刃と同じ厚みのようにみえますが、取っ手と同じ厚みを有しているという考え方もできます。wh0さんはアーム部分が「取っ手部分と同じ厚み」「刃と同じ厚み」の2パターンについて考察を行い、「アーム部分が刃と同じ厚みだと考えると、以下の画像まで刃が閉じる。しかし、いずれにせよ完全には閉じない」と結論付けています。


・OpenMoji
オープンソースの絵文字プロジェクトOpenMojiが提供するはさみの絵文字が以下。右利き用のはさみですが、要ネジや小刃が描かれておらず、かなり簡素なデザイン。2つの取っ手部分はすでにぶつかっているため、これ以上刃が閉じないように見えます。


wh0さんはまず、2つの刃が重なり合う部分の中央が支点となる要ネジの位置だと算定。


そうやって算定された要ネジの位置と、「取っ手は重なり合う」という仮定を元に、以下の「刃が閉じた状態の絵文字」を作成しました。


「計算上は、OpenMojiのはさみはよく機能します」とwh0さんは述べています。

それぞれのはさみを評価したwh0さんは、各社のはさみの絵文字について「1位はLG、2位は絵文字デックス、3位はWhatsApp」と順位をつけました。

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in デザイン, Posted by darkhorse_log

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