セキュリティ

Macデバイスを狙ったマルウェアの検出率が大幅に増加していることが判明

by iAmMrRob

かつては「Macデバイスはマルウェアに感染しにくい」といわれたこともありましたが、サイバーセキュリティ企業のMalwarebytesによる調査によって、2019年にはMacデバイスを狙ったマルウェアの検出率が大幅に増加したことが判明しました。

Mac threat detections on the rise in 2019 - Malwarebytes Labs | Malwarebytes Labs
https://blog.malwarebytes.com/mac/2019/12/mac-threat-detections-on-the-rise-in-2019/

Mac Threat Detections on the Rise in 2019 According to Malwarebytes Report - MacRumors
https://www.macrumors.com/2019/12/16/malwarebytes-mac-threat-detection-2019/

Malwarebytesは、自社のセキュリティソフトを搭載しているMac、Windows、Androidなどのデバイスで検出された、マルウェアの数や種類について分析しました。その結果、全てのデバイスを合算して検出数が多かったトップ25個のマルウェアのうち、6個がMacを対象としており、割合としては全体の16%がMacを狙ったものだったとのこと。


全体の16%という数字はあまり多くないように見えますが、Malwarebytesは「これらの脅威が検出されたデバイスの数を考えると、結果は非常に興味深いものとなります」と指摘。MacユーザーはWindowsユーザーの12分の1(約8.3%)しかいないため、「16%」という数字は大きなものといえるとMalwarebytesは述べています。

また、2019年の調査で発見された、Windowsデバイス1台あたりのマルウェア検出数は平均で4.2個だったのに対し、Macデバイスでは平均で9.8個となっており、Macデバイスの方が検出数が多いという結果になりました。なお、このデータはMalwarebytesのセキュリティソフトウェアが搭載されたデバイスのみを対象としたものであり、Macユーザーはセキュリティソフトをインストールした時点で「PCが何かに感染しているかもしれない」と疑いを抱いていた可能性があると、Malwarebytesは認めています。


Macを狙ったマルウェアは全体の脅威検出数の第2位、第5位にもランクインしており、2019年の調査で初めてトップ5にくい込みました。検出数2位のマルウェアは「NewTab」として知られるアドウェアであり、検出されたマルウェア全体のうち4%を占めています。NewTabはブラウザの拡張機能を利用して、ウェブページのコンテンツを変更するアドウェアです。主にChrome拡張機能としてインストールされるほか、かつてはSafariの拡張機能としてインストールされることもありましたが、すでにAppleはSafariでNewTabをインストールできなくする対策を取っています。

検出数第5位のマルウェアである「PUP.PCVARK」はマルウェア全体のうち3%を占めており、ユーザーが意図しないうちに、あるいはユーザーをだましてデバイス内にインストールまたは購入させる潜在的に危険なソフトウェアです。「PUP」は「Potentially Unwanted Program」の略語であり、有害な可能性のあるプログラムの総称とのこと。

データをさらに掘り下げると、Macを対象としたマルウェアのほとんどがアドウェアまたはPUPで構成されており、より危険な類のマルウェアは非常に狭い範囲に限定して用いられているそうです。たとえば、2019年に発見されたMokes and Wirenetというマルウェアは、特定の暗号通貨関連企業のみをターゲットにして、Firefoxの脆弱性を介してMacデバイスに向けて配信されました。

以前は「Macはウイルスに感染しない」という話が広まったこともありましたが、時間の経過につれてMacはマルウェア開発者にとって人気のあるターゲットになっているとMalwarebytesは指摘。悪意のある人々がMac市場を狙っていることが明らかとなっている以上、Macユーザーもセキュリティソフトを使用することをMalwarebytesは推奨しています。

by pixelcreatures

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in ソフトウェア,   セキュリティ, Posted by log1h_ik

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