空気が原料のプロテイン「Air Protein」が登場


アメリカ・カリフォルニア州のスタートアップKiverdiが、空気中にある二酸化炭素などから生成されるタンパク質「Air Protein」を発表しました。

AIR PROTEIN
https://www.airprotein.com/

Air Protein just created 'meat' made from air - CNET
https://www.cnet.com/news/air-protein-launches-air-based-meat/

The vegan revolution: why the latest 'meat' is made entirely from thin air | Food | The Guardian
https://www.theguardian.com/food/shortcuts/2019/nov/13/the-vegan-revolution-why-the-latest-meat-is-made-entirely-from-thin-air

Air Proteinの公式ページによると、空気からタンパク質を合成するアイデアは、元を辿ればアメリカ航空宇宙局(NASA)の発案とのこと。1960年代、NASAは二酸化炭素を代謝できる単細胞生物「水素酸化細菌」に着目し、「水や宇宙飛行士が吐き出した二酸化炭素を水素酸化細菌に与えて、人間に必要な栄養素に変換させる」というコンセプトを打ち出していました。


NASAから着想を得たKiverdiは水素酸化細菌に関する研究を進め、二酸化炭素から必須アミノ酸を効率的に生成できる水素酸化細菌を発見。その水素酸化細菌を用いて生み出されたAir Proteinは、9種類の必須アミノ酸を全て含んでおり、動物のタンパク質に近いアミノ酸スコアを有する上に、大豆の2倍のアミノ酸を含んでいます。さらに、Air Proteinはベジタリアンの食事で摂取しにくいビタミンB12ナイアシンチアミンなどのビタミンB群も含んでいます。また、空気から生成されるため、遺伝子組み換え作物・農薬・除草剤・ホルモン剤・抗生物質なども不使用です。

Air Proteinは、見た目は淡褐色の粉末で、試食してみたイギリスの大手紙ガーディアンの記者によると「ハッキリしない味」だそうです。


Kiverdiによると、Air Proteinはドリンクに混ぜて飲むか、他のものと混ぜて人工肉にすることがオススメだとのこと。例えば以下の写真では、成形して調理済みのAir Proteinがアスパラガスの右側に添えられています。


Kiverdiは、森林破壊や干ばつなどの環境問題を挙げて「土地や水資源への依存度を減らす食料生産が重要」だと説き、「Air Proteinの生産プロセスはビールやヨーグルトなどの発酵に似ており、気象状況や季節よらず数時間で完了します。さらに、畜産や農業に比べて土地も必要ありません」と主張しています。

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in , Posted by darkhorse_log

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