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人間よりAIの上司を信頼する国ランキングが発表される

by cookelma

ビジネス向けソフト大手のOracleと調査会社Future Workplaceによる、「人工知能(AI)と職場に関する意識調査」の結果が発表されました。

From Fear to Enthusiasm - ai-at-work-ebook.pdf
(PDFファイル)https://www.oracle.com/a/ocom/docs/applications/hcm/ai-at-work-ebook.pdf

New Study: 64% of People Trust a Robot More Than Their Manager
https://www.oracle.com/corporate/pressrelease/robots-at-work-101519.html

今回発表されたのは、OracleとFuture Workplaceが実施したAIに関する調査「AI at Work」の第2回目で、10カ国の労働者8370人が対象となりました。2018年に実施された(PDFファイル)前回の調査では「何らかの形で職場でAIを使っている」と答えた労働者は32%でしたが、2019年に行われた2回目の調査では50%と、大幅に増加しています。


以下のグラフはAIを使用しているという回答の国別の結果です。インドが78%とトップで、中国の77%やアラブ首長国連邦(UAE)の62%がその後に続きます。日本での導入率は29%にとどまり、調査対象となった10カ国では最下位でした。


「AIの同僚が職場に来ることに興奮している」と回答した人の割合も、インドが60%とトップで、中国(56%)やUAE(44%)がその後に続いており、AIと働くことを歓迎している国では、既にAIが導入されている可能性が高いことがうかがえます。なお、「AIの同僚が職場に来ることに興奮している」と答えた日本人労働者の割合は25%で、10カ国中7位でした。

調査結果からは、AIは同僚としてだけでなく上司としても歓迎されていることが分かります。「AIを人間のマネージャーより信頼していますか?」という質問に対して、半分を大きく上回る64%の人が「はい」と回答しました。


「AIの上司を信頼する」と答えた人の国別の割合が以下のグラフです。やはりインド(90%)と中国(88%)が上位に来ましたが、AIの導入率が最下位だった日本も76%でUAEと並び第5位という結果になりました。「AIの同僚に興奮している」と回答していた人が25%だったという結果と比べると、日本人はAIを同僚としてよりもむしろ上司として職場に迎えたい傾向にあることがうかがえます。


AIの上司が信頼されているのは、その有能さに対する期待ゆえです。調査では、82%の人が「人間の上司よりも、AIの上司の方が仕事ができそうだと思う」と回答しています。


ただし、何でもAIの方が上というわけではなく、AIや人間の上司にも得手不得手があると考えられています。「AIが人間の上司より優れていると思うのはどんな所ですか?」との質問には「偏りのない情報提供(36%)」「スケジュールの管理(34%)」「問題解決(29%)」「予算管理(26%)」「詮索せず秘密の質問に答えてくれる(21%)」「チームのパフォーマンス評価(20%)」という回答が並ぶ一方で……


「人間の上司の方が優れている点は?」という質問には「気持ちを理解してくれる(45%)」「指導してくれる(33%)」「労働文化を作る、もしくは発展させる(29%)」「チームのパフォーマンス評価(26%)」「問題解決(25%)」「監視・監督(24%)」といった回答が寄せられていました。全体的に、数字やデータの扱いや、私情を挟まない仕事はAIの方が得意だと思われている一方で、人間の上司には共感性や人を見る能力が要求される仕事が期待されているようです。


職場に導入されたAIの用途に関する質問には、「従業員と顧客データの収集(31%)」「トレーニング用ソフトウェアの開発(28%)」「カスタマーサポートへの返信の管理(24%)」「デジタルアシスタントやチャットボットの操作(22%)」「アルゴリズムを使用した仕事アプリの処理(21%)」「採用成功率と従業員の定着率の予測(17%)」という答えが寄せられています。


一方、「AIを使えない理由は?」との質問には、「人間関係を重視したい(31%)」「セキュリティ問題(31%)」「プライバシー問題(30%)」「なし(21%)」「解雇されたり、従業員を解雇したりすることへの恐れ(19%)」「どんな影響があるか分からない(18%)」と、AIの導入に慎重な姿勢も根強いことがうかがえる回答が集まりました。


Future Workplaceの調査ディレクターであるダン・ショーベル氏は調査結果について、「過去2年間で、労働者は職場にAIを導入することに楽観的になってきていることが分かりました。特に、今回の調査結果からは、AIは『従業員と上司の関係』だけでなく、『AI主導の職場における上司の役割』も再定義していることが示されています」との見解を述べました。

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in ソフトウェア, Posted by log1l_ks

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