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ハイエンドPC向けの高級CPUで上手にパンケーキを焼けるのはIntelとAMDのどちらなのか?


18コア・36スレッドのIntel Core i9-9980XEと、32コア・64スレッドのAMD Ryzen Threadripper 2990WXは、どちらもハイエンドデスクトップ向けCPUで、価格も20万円前後という高級モデルです。多くのメディアが両者の性能比較を行う中、海外の技術系メディアTom's Hardwareは「どちらのCPUがよりうまくパンケーキを焼けるのか?」という斜め上をいく発想で比較レビューを行っています。

AMD vs Intel: Which CPU Cooks Better Pancakes? - Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/reviews/intel-amd-hedt-pancakes,6366.html


実際にCPUでパンケーキを焼く比較実験の様子は以下のムービーで見ることができます。

Which CPU Cooks a Better Pancake? Intel Core i9-9980XE or AMD Threadripper 2990WX? - YouTube


パンケーキを焼くのはTom's Hardwareの編集者であるアンドリュー・E・フリードマン氏と、シャロン・ハーディン氏です。


まず最初にパンケーキ作りに挑戦するのは、Intel Core i9-9980XEです。


使用するマザーボードはMSI X299 XPOWER GAMING ACで、BIOSからサーマルスロットリングを100℃から105℃に変更済み。


CPUの表面にはグリスとしてCooler MasterのIceFusionを、通常よりもかなり多めに塗ってあります。


もちろん、パンケーキにかけるためのメイプルシロップも準備しています。


PCの電源を入れて、直径4.25インチ(約10.7cm)のフライパンにパンケーキの生地を流し込むところ。


スイッチを入れた直後のCPU温度は74℃ほどでしたが、ベンチマークソフトを動かして負荷をかけるとすぐに104℃まで上昇。CPUにちゃんと接着するようにフライパンをぐっと押さえつけているハーディン氏によると、フライパンはかなり熱くなってはいるものの、まだなんとか素手で触れる程度だとのこと。


フリードマン氏がそろそろパンケーキをひっくり返そうとした時、PCがシャットダウン。実は「フライパンをマザーボードに載せる際に干渉してしまう」という理由で、電圧レギュレーターモジュール(VRM)の冷却ユニットを取り外していたため、システムが落ちてしまいました。


そこで急きょ冷却ファンを装着し、横からVRMへ風を当てて冷却しながらパンケーキを焼いていきます。


実験開始からおよそ18分が経過した段階で、パンケーキをひっくり返しましたが、パンケーキ自体はまだ生焼けといった感じでこびりついています。


そこで、もう少ししっかりと焼いてから、少量のオリーブオイルを使って、フライパンの表面からこすり取るようにパンケーキをひっくり返し、メープルシロップをかけました。


一口食べて、フリードマン氏は「悪くはないと思う」とコメント。Intel Core i9-9980XEで焼いたパンケーキは、見た目こそボロボロでキレイではありませんが、パンケーキとしてはまずまずの味だったそうです。


次にパンケーキを焼くCPUは、AMD Ryzen Threadripper 2990WX。


使用するマザーボードはMSI MEG X399 Creation。公平を期すために、こちらでもBIOSからサーマルスロットリングを105℃に変更しようとしたものの、できなかったとのこと。また、今回はVRM冷却ユニットを外す必要はなかったそうです。


CPUの上には、Intel Core i9-9980XEの時と同じくCooler MasterのIceFusionをたっぷり塗ってあります。


フライパンをRyzen Threadripper 2990WXの上に載せて……


パンケーキの生地を注ぎます。


PCの電源を入れてすぐのアイドル状態だと、CPU温度は40℃から50℃といったところで、「パンケーキの生地はRyzen Threadripper 2990WXにとって効果的な冷却装置かもしれない」とフリードマン氏。


そこで、ベンチマークテストを実行してさらにCPU温度を上げることに。生地の表面にはぷつぷつと泡が出はじめ、パンケーキは順調に焼けているようですが……


Intel Core i9-9980XEと同じようにシステムがシャットダウンしてしまいました。調べてみるとVRM冷却ユニットがかなり熱くなっていたそうで、Core i9-9980XEの時と同じようにファンを使ってVRMを冷却。しかし、何度やってもコンピューターは再起動できず、たとえ再起動してもすぐにシャットダウンしてしまう状態に陥ってしまったとのこと。PCが立ち上がらない間にフライパンの温度はどんどん下がっていきます。


そして、Intel Core i9-9980XEと同じ18分頃になったので、強制的にひっくり返してみることに。


「このパンケーキ、ちょっとどろっとしてない?」とフリードマン氏。ハーディン氏はまるでオムレツを焼くような手付きでパンケーキを裏返していきます。


そのまま上からメープルシロップをかけて……


Ryzen Threadripper 2990WXで焼いたパンケーキを試食。実験後半ではフライパンの温度が下がってしまったため、当然パンケーキはほぼ生焼けだった上にボソボソとした食感だったそうで、フリードマン氏は「これは本当にひどい」とコメント。パンケーキを口に入れたハーディン氏は思わず顔をしかめてしまいました。


なお、温度が下がってもPCが再起動できなかった理由として、フリードマン氏は「マザーボードのBIOSが原因である」と推測し、詳細についてAMDに問い合わせたそうですが、回答は得られなかったそうです。

フリードマン氏は今回の実験結果について、「ゲームやコンテンツ作成など、より現実的な使用例では、Intel Core i9-9980XEとAMD Ryzen Threadripper 2990WXではそれぞれ独自の長所があります。2つのチップ間で比較レビューを行った時はおよそ同等の性能といえました。しかし、パンケーキを作成するのにかかる時間は、Core i9-9980XEの方が短くなりました。システムがシャットダウンするのは1回だけで、サーマルスロットリングを上げれば15分でパンケーキが焼けるほどの熱があったからです。つまり、ハイエンドデスクトップ向けCPUを使ってパンケーキを作りたい場合は、Intelを選びましょう」と述べました。

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in ハードウェア,   動画,   , Posted by log1i_yk

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