2019年06月14日 06時00分ハードウェア

16コア/32スレッドのAMD Ryzen第3世代CPU「Ryzen 9 3950X」のベンチマークが登場、マルチコアパフォーマンスは世界最高レベルに

チップメーカーのAMDは、世界最大級のゲーム見本市「E3 2019」の会場近くで、「AMD E3 Next Horizon Gaming Event」を開催。リサ・スーCEOが7nmプロセス・Zen 2アーキテクチャを採用した第3世代Ryzenである「AMD Ryzen 9 3950X」、12nmプロセス・ZEN＋アーキテクチャを採用した「AMD Ryzen 5 3400G」「AMD Ryzen 3 3200G」を発表しました。そして、ついに16コア/32スレッドを実現したRyzen 9 3950Xのベンチマーク結果を、技術系メディアのTechQuilaが公開しています。

AMD Ryzen 9 3950X with 61K points is the Fastest Processor on Geekbench, Destroys Intel's 18-Core i9-9980XE
https://www.techquila.co.in/amd-ryzen-9-3950x-vs-intels-18-core-i9/

2019年5月末に台湾で開催された「COMPUTEX TAIPEI 2019」で、AMDは次世代CPUアーキテクチャ「Zen 2」を採用したデスクトップPC向けプロセッサ「AMD Ryzen」の第3世代として、12コア/24スレッドのRyzen 9 3900Xなど5種類のCPUを発表しました。

AMDが競合製品の半額以下で12コア/24スレッドの第3世代Ryzenプロセッサ「AMD Ryzen 9 3900X」などを発表 - GIGAZINE

しかし、「発表でスーCEOが掲げた Ryzen 9 3900Xの実物にはまだCPUダイを載せる余裕がある」と、最大16コアのAMD Ryzenが登場する可能性がささやかれていました。

AMD E3 Next Horizon Gaming Eventで発表されたRyzen 9 3950Xは16コア/32スレッドを実現したCPUで、動作周波数は3.5GHzでブースト時が4.7GHz、合計キャッシュサイズは72MB。2019年9月に749ドル(約8万1000円)で発売されるとのこと。

初代Zenアーキテクチャの「Ryzen Threadripper1950X」「Ryzen Threadripper 2950X」も16コア/32スレッドを実現していましたが、Socket TR4という専用ソケットを搭載したマザーボードが必要でした。しかし、Ryzen 9 3950XはSocket AM4対応で、価格もRyzen Threadripperより安いのが魅力的といえます。

また、AMD E3 Next Horizon Gaming Eventで公開されたムービーでは実際にRyzen 9 3950Xでベンチマークを行う様子も流れ、「主流なCPUソケットで動作するものとしては最高のパフォーマンスを示した」とアピールされていました。

そんなRyzen 9 3950XをGeekbenchで測定した結果は、シングルコアスコアが5868ポイント、マルチコアスコアが6万1072ポイントだったとのこと。

以下のグラフは、競合CPUのシングルコアスコアを並べたもの。Geekbenchのスコアによれば、シングルコアのパフォーマンスは、Intel Core i5-7640Xとほぼ同等といえます。

競合CPUのマルチコアスコアを並べたものが以下。18コア/36スレッドで実売価格20万超の競合モデルIntel Core i9-9980XEはマルチコアスコアが4万6618ポイントということを考えると、Ryzen 9 3950Xのコストパフォーマンスは明らかにIntel Core i9-9980XEを超えているとTechQuilaはコメントしています。また、「今回ベンチマークテストの対象となったのは、あくまでもサンプルのチップであり、市場に出回る最終版のチップであればもっと高速化するだろう」とTechQuilaは予想しています。