ハードウェア

双方向128GB/sの最大転送速度を誇る次世代規格「PCI Express 5.0」の策定が完了

by Forrestal_PL

PCI Express規格を策定する団体「PCI-SIG」は現地時間の2019年5月29日付けで、現行のPCI Express 4.0に続く次世代規格「PCI Express 5.0」の策定が完了したと発表しました。PCI Express 5.0は低消費電力と下位互換性を維持しながら、片方向でPCI Express 4.0の倍となる最大64GB/sという転送速度を達成しているとのことです。

PCI-SIG® Achieves 32GT/s with New PCI Express® 5.0 Specification | Business Wire
https://www.businesswire.com/news/home/20190529005766/en/PCI-SIG%C2%AE-Achieves-32GTs-New-PCI-Express%C2%AE-5.0

PCI ExpressはPCI-SIGによって策定されたI/Oシリアルインターフェースの一種で、機能を拡張するカードやSSDをPCに搭載する時に接続する端子の規格として用いられています。記事作成時点では2017年に策定完了したPCI Express 4.0がようやく実装されつつあります。


今回策定が完了したPCI Express 5.0には以下のような特長があるとのこと。

・x16レーン接続で32GT/sのグロスビットレート、片方向で64bGB/s、双方向で最高128GB/sの転送速度
・PCI Express 4.0の仕様を活用していて、拡張タグとクレジットを仕様してより高速な処理をサポート
・コネクタの信号の完全性と機械的なパフォーマンスを向上させるために電気的な変更を実装
・アドイン・カードを対象とした下位互換性のある新しいCEMコネクタ
・PCI Express 4.0、3.x、2.x、1.xとの下位互換性を維持

InSight64の調査研究員であるNathan Brookwood氏は「PCI-SIGは27年間にわたって、I/O標準の新バージョンを継続的に提供してきました。設計者は旧世代のインターフェースやソフトウエアへの投資を維持しながら、次世代システムに必要な帯域幅の増加に対応できます」「PCI Express 5.0のピーク時帯域幅は64GB/sで、PCI Express 4.0と比較すると倍に、1992年に策定されたPCI 1.0と比較すると480倍に向上しています」と述べました。

by Stain_Marylight

PCI-SIG代表のAI Yanes氏は「大量のデータを処理する新しいアプリケーションの登場によって、これまでにないレベルのパフォーマンスが求められています。PCI Express 5.0の仕様を18カ月で達成したことは大きな成果であり、業界のパフォーマンスニーズを満たすようにPCI Expressの進化に尽力したメンバーの献身によるものです。PCI Expressのアーキテクチャーは、しばらくの間パフォーマンスI/Oのデファクトスタンダードとしての地位を維持するでしょう」と語っています。

2017年10月に策定を完了したPCI Express 4.0は、2019年に入ってようやく対応したマザーボードやCPU、SSDが市場に登場しつつある状態。策定が完了してから市場に出回るまでに同等の時間がかかると仮定した場合、PCI Express 5.0に対応した製品が市場に出回るのはおよそ2021年頃と予想されます。

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in ハードウェア, Posted by log1i_yk

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