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【訃報】「孔雀王」シリーズで知られる漫画家・荻野真さん死去


裏高野の退魔師・孔雀が世の中にはびこる化け物や謎の集団、さらに「神」と戦う姿を描いた漫画「孔雀王」シリーズや、新たな人類の創世記を描いた「小類人」などの作品で知られる漫画家の荻野おぎのまことさんが、2019年4月29日(月)に腎不全のために亡くなったことが発表されました。59歳でした。

荻野真公式HP「孔雀の実家」
http://www4.airnet.ne.jp/kujaku/


訃報/読者の皆様へ|週刊ヤングジャンプ公式サイト
https://youngjump.jp/info/news_2019050901/


荻野さんは1959年生まれ。岐阜県出身で、名古屋大学在学時は漫画研究会に所属。研究会を設立したのは2年先輩で「すべてがFになる」「スカイ・クロラ」などの小説で知られる作家の森博嗣氏。

1985年に週刊ヤングジャンプで連載が始まった「孔雀王」でデビュー。同作は集英社青年漫画大賞を受賞して1989年まで連載され、単行本全17巻の長期連載となりました。

ヤングジャンプ編集部にとって、雑誌初の青年漫画大賞受賞作品である「孔雀王」は期待の作品でしたが、それゆえに荻野さんは苦しむこととなり、連載終了後、「孔雀王をしばらく休む」ために、当時まだ世間になじみの薄かったPCを題材にした「ALGO!」を執筆するも反応は得られず、「孔雀王」の続編である「孔雀王 退魔聖伝」に取りかかることに。

荻野さんによれば、「八百万神編」は週刊ペースで作品を作るためのバトル展開だったとのことですが、日本神話を深く調べたいという欲求が出てきて、1992年の連載終了から次作「夜叉鴉」までの約3年の休載につながったそうです。

1999年から全7巻にわたり展開された「小類人(ちゃいるど)」は、「孔雀王」などとはかなり異なるSF漫画。しかし、本来荻野さんが描きたかったのはこういったSFだったとのこと。このあと、ガンマンものの「拳銃神」、ラブコメの「おぼこ」、ゴスロリとヤンキーを組み合わせた「怨霊侍」といった作品を経て、「孔雀王」シリーズ第3部である「孔雀王曲神紀まがりがみき」を連載。この「曲神紀」はヤングジャンプの編集方針と衝突したことで、予告なしの打ち切りで終了することになります。

歴史漫画「15の春」、「おぼこ」を釣り漫画にリニューアルとしたという「サルビアの海」を挟んで、2012年から月刊!スピリッツで13歳の孔雀を描く「孔雀王ライジング」の連載をスタート。この作品は、荻野さんが密教を再勉強する中で見つけた「仏像創造の意味」をテーマにしたとのこと。

また、「孔雀王ライジング」開始にやや遅れて、孔雀が戦国時代に転生するという設定の「孔雀王-戦国転生-」がコミック乱ツインズ 戦国武将列伝でスタート。2016年に同誌が休刊したあとはコミック乱に移籍して連載が続いていました。

孔雀王 ~戦国転生~ 第2巻発売記念 - YouTube


荻野さん自身によると、遺伝的な体質で「拳銃神」連載前に心臓病を発病しており、連載中にも2度の入院・手術があったとのこと。2017年7月の「孔雀王ライジング」「孔雀王-戦国転生-」休載時には「病院送りになったのは六回目」とコメントしていました。


なお、荻野さんは病床で「孔雀王ライジング」「孔雀王-戦国転生-」の最終回を完成させていたとのことで、「孔雀王ライジング」最終回は6月27日発売の「月刊!スピリッツ」8月号、「孔雀王-戦国転生-」最終回は6月27日発売の「コミック乱」2019年8月号に掲載される予定。また、「孔雀王-戦国転生-」最終第5巻が7月30日発売予定です。

『孔雀王ライジング』荻野 真先生が逝去されました | ビッグコミックBROS.NET(ビッグコミックブロス)|小学館
https://bigcomicbros.net/news/oginomakotoshi_fuho/

株式会社リイド社 » 【訃報】読者の皆様へ
https://www.leed.co.jp/pr2019051001

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in メモ,   動画,   マンガ,   アニメ, Posted by logc_nt

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