取材

ゲーム開発者が一堂に会してぶっちゃけトークを展開する「ゲームクリエイタートークライブ」


日本のゲーム開発者たちが集まりぶっちゃけトークを展開する「ゲームクリエイタートークライブ」が、漫画・アニメ・ゲームの祭典「マチ★アソビ vol.22」の中で開催されました。マチ★アソビでは毎回開催されており、一部の熱狂的ファンまで生み出す中毒的な人気を誇る同イベントの様子をのぞいてきました。

『ゲームクリエイタートークライブ』
本日は坂上陽三、小山順一郎、ただの女、日本一ソフトウェア菅沼くんが登壇者、アメザリ平井さんと私がMCを務めました。

ゲーム業界あるあるからこれからの未来像まで様々なコメントが各者から語られました。

ご来場いただきありがとうございました! pic.twitter.com/Ts1Nn8HnV2

— 松山洋@サイバーコネクトツー (@PIROSHI_CC2)


最初に登場したのは、同イベントの司会進行役を務めるアメリカザリガニの平井善之さん(左)と、サイバーコネクトツーの松山洋さん(右)。


続いて、「ゲームを作ること以外には、ただ面白いことを言うことしか能のない人々」として、左から坂上陽三さん、小山順一郎さん、月田百合香さん、菅沼元さんの4人が登場。会場は温かい拍手で包まれました。


坂上さんと小山さんは同期入社で昔は一緒にお昼を食べていたほどの仲だとのこと。小山さんは前回のマチ★アソビに参戦予定だったのですが、台風で来られなかったため、今回はリベンジに成功したということで喜んでいました。坂上さんは「がみP」としてマチ★アソビでも何度もイベントを行っている「おなじみの人物」。小山さんはアイドルマスターのアーケード機を開発した人物ということが明らかになると、会場からは「おお~!」という歓声が上がっていました。小山さんは現在、バンダイナムコアミューズメントでVR ZONEなどのプロデュースを行っているとのこと。

「ただの女月田」として登場した月田さんも、坂上さん・小山さんと同じくバンダイナムコに勤めるプロデューサー。普段は坂上さんの下で働いているそうで、担当タイトルとしては「SAOメモリー・デフラグ」や「.hack//G.U. Last Recode」などが挙げられました。

そしてゲストとしては唯一のバンダイナムコ社員ではないという菅沼さんは、日本一ソフトウェアで働くゲームプロデューサーです。2019年6月末には新作タイトルの「じんるいのみなさまへ」が発売予定となっており、マチ★アソビの会場では体験会も開催しているとのこと。体験会は東新町アーケード奥のコルネの泉広場近くの会場で行われています。


そんなこんなでさっそくゲームクリエイタートークライブがスタート。最初のお題は「クリエイターとして影響を受けた作品を教えてください」というもの。ちなみに司会進行役の松山さんは、幼少期に読んでいた「週刊少年ジャンプ」に大きな影響を受けたと明かしてくれました。


坂上さんはゲーム開発に携わるようになった頃にカプコンからリリースされた「バイオハザード」を影響を受けた作品として挙げています。元々映画好きだった坂上さんは、「もっと映画っぽいゲームが作れないか……」と考えていた頃に初代バイオハザードが登場したことを明かし、大きな影響を受けたと明かしています。


続く菅沼さんは、「初代スマブラ」を挙げています。発売当時は小学3年生くらいだったという菅沼さんは、ゲーム開発企業に就職してから再びスマブラをプレイして分析したとのことで、「面白いが詰め込まれまくっている」とのこと。


小山さんは1996年に発売された「デスクリムゾン」、月田さんはカプコンの「逆転裁判」を挙げており、ゲームクリエイターが他社製品に影響されがちなのは「あるある」だと語られました。


続いてのお題は「令和のゲーム業界はどうなると思いますか?」です。最近ではPlayStation 5のウワサや、Googleのクラウドゲームサービス「Stadia」といった新しいプラットフォームが登場していますが、そういった時代の流れも含めて今後のゲーム業界はどう変化していくと思うか?というのが今回のお題。


坂上さんは「さらにマルチかな?」ということで、今後よりプラットフォーム間の垣根がなくなっていくと予想。Netflixで公開されている「ブラック・ミラー: バンダースナッチ」のようなゲームと映画の中間に位置するような作品も存在することから、垣根がなくなっていくのはゲームプラットフォームだけの話ではなく、ゲームや映像といった垣根もなくなっていくのではとしています。


続く菅沼さんは、「神ゲーをただ作るだけでは食っていけなくなる」と予想。ゲーム作りも大事ですが、今後はより提供方法も考えていかなければいけなくなるのでは、ということだそうです。


月田さんは「誰でもゲームプロデューサーになれる!!」ということで、クラウドファンディングなどの登場により、アイデアを持っている人がより簡単にゲームを作れる世界になっていくと予想しています。


最後の小山さんは、「中国VSアメリカになる」として、中国の人口の多さを実感できるエピソードを披露してくれました。そして、中国やアメリカに負けないように日本も頑張らなければと感じているとまとめてくれました。


3つ目のお題は「クリエイター“あるある”を教えて下さい」というもの。


ちなみに司会の松山さんは、自身のTwitterアカウント上でもゲーム業界あるあるを披露していました。

“カラオケに行くと必ず『Butter-Fly』を歌う奴がいる”#ゲーム業界あるある pic.twitter.com/g9lMsZsr1V

— 松山洋@サイバーコネクトツー (@PIROSHI_CC2)


菅沼さんはクリエイターあるあるとして、「PVとかCMを品質管理の目線で見てしまう」としました。これについて松山さんが補足しており、商品のすべてを2、3分のPVにまとめることは不可能なため、PVの印象だけで購入したユーザーからクレームが来ることがあり、そういった事態が起こることを業界全体が恐れており、自然と品質管理の目線でPVをチェックしてしまうようになりがちとのこと。


坂上さんは「企画書と違うものができる!!」として、開発に2、3年かかるゲームでは開発の途中で時代の流行りを入れたくなったり、やりたいことが変わったりして、その結果としてキメラのようなゲームができてしまうケースがあるとしました。


お題の中には漫画チェイサーゲームの中に出てくる「クリエイターは嘘をつく」にちなんだ、「最近ついた嘘を教えて下さい」というものも。


イベントの最後には告知時間が設けられており、アメリカザリガニの平井さんは2019年8月30日から声優の堀江一眞さんらと朗読劇「姫ものがたり」に参加することになったことを報告。松山さんは前回同様に「メカウデ -MECHANICAL ARMS-」のイベントを開催しており、他にも漫画家の藤沢とおる先生とトークイベントを予定していることなどを報告してくれました。

小山さんはアーケードゲームの「ジョジョの奇妙な冒険 ラストサバイバー」を開発中で、最大20人で同時に遊べるゲームなので楽しみにしていて欲しいとのこと。


月田さんは「ゲームが下手でも叩かないで」として、告知というか業界で働くゲームプロデューサーからのお願いを会場にアピールしました。


そして菅沼さんは6月27日発売の「じんるいのみなさまへ」を宣伝してくれました。


最後は会場全体から拍手で見送られてイベントは無事終了。

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in 取材,   ゲーム, Posted by logu_ii

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