サイエンス

有人の月面都市計画を大手建築設計事務所が発表、デザインも公開中


1969年に人類が初めて月面に着陸してから2019年でちょうど50年が経過しますが、そんな折りにアメリカの大手建築事務所がプレスリリースを発表、欧州宇宙機関(ESA)が主導する月面都市「ムーン・ビレッジ」計画のコンセプトを明らかにしました。

SOM | SOM Releases Concept for Moon Village, the First Permanent Human Settlement on the Lunar Surface
http://www.som.com/news/som_releases_concept_for_moon_village_the_first_permanent_human_settlement_on_the_lunar_surface

Slashcube | Architectural Visualization Studio, Zürich
http://www.slashcube.ch/

以下のムービーでは「ムーン・ビレッジ」のコンセプトが映像化されています。



月面都市「ムーン・ビレッジ」のデザインを発表したのは、世界一高い超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」や日本の「東京ミッドタウン」を手がけたアメリカの建築設計事務所スキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル(SOM)。プレスリリースでは、ESAやマサチューセッツ工科大学(MIT)と共同して「ムーン・ビレッジ」構想のコンセプトを作成したと発表されていて、同社は今後、全体計画や設計などを担当していくということです。


「ムーン・ビレッジ」構想はもともとESAのジャン・ヴェルナー局長が公開していた宇宙探査計画で、月面に建設した有人基地を足がかりに火星探査などを実施するというもの。建設候補地は、月の南極付近に位置するシャクルトンクレーターの外縁部です。シャクルトンクレーターの内部には太陽光が入らない永久影があり、そこに氷の状態で水が存在すると示唆されています。


また、建設と維持はIn-Situ Resource Utilization(その場での資源利用)方式でより自給自足でまかなわれる予定で、エネルギーは太陽光から、水と空気は氷から、建築材料は月面の土砂(レゴリス)から採取するとのこと。施設には人が暮らすための居住区を備えるほか、将来的には「ムーン・ビレッジ」で得られた知見や資源を活用し、火星進出も目指す予定です。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
月を地球の植民地にすればテクノロジーが発展し膨大なリソースが得られる - GIGAZINE

月の資源を採掘するのは現実的なことなのか? - GIGAZINE

45年以上人類が月面に足を踏み入れてこなかった理由とは? - GIGAZINE

「現在の技術では火星をテラフォーミングすることは不可能」と科学者が結論を出す - GIGAZINE

「火星に基地を作る」ことがいかに最悪のアイデアで大きな可能性を持つのかをアニメーションで解説 - GIGAZINE

in サイエンス,   動画, Posted by log1l_ks

You can read the machine translated English article here.