「材料の30%がバターで30%が砂糖」というヨーロッパで最もファットな菓子パン
パン生地の上にバターの塊と大量の砂糖を載せ、生地でそれらを包んでいく……という伝統的な菓子パンが北フランスで伝え続けられています。この菓子パンの秘密に迫ったムービーがYouTubeで公開中です。
Trying the Fattiest Pastry in Europe - YouTube
ヨーロッパで最もファットな菓子パンとはフランス北部ブルターニュ地方に伝わるクイニーアマンのこと。クイニーアマンはそのまま「バターの菓子」という意味です。
その名の通り、クイニーアマンはバターがたっぷり使われており、その特徴は「材料の30%がバターで30%が砂糖」という比率にあります。
ブルターニュ地方のうち、ドゥアルヌネというコミューンは人口1万5000人程度の小さな街。観光する場所も限られていますが……
この街にある「Boulangerie des Plomarc'h」というお店は、世界最高のクイニーアマンを提供しているとして有名です。
このお店のオーナーがティエリー・リュカさん。
リュカさんによると、ドゥアルヌネでクイニーアマンが生まれたのは1860年代。
これが当時の写真。
当時、材料を切らしてしまったパン職人が、「お店にあるもので即座に作れるものを」として間に合わせで考案したのがクイニーアマンだそうです。
パン職人であり菓子職人でもあった人物の手元に残っていたのは、「パンの種」と……
バター
そして砂糖。この3つを組み合わせることによりクイニーアマンは誕生しました。
以下は実際のリュカさんの作業現場。大きなミキサーで材料をかき混ぜ……
パンの種を作っていきます。
シンプルな材料のクイニーアマンですが、作るのは難しいため、手作業で行われます。
まずはパンの種を伸ばし……
パンの種とは別にめん棒でバターの塊をゴンゴンとたたいて伸ばしていきます。
平たくなったバターをパン生地の上に載せ……
砂糖をザバー。
そして四面からバターを生地で包みこんでいきます。
バターを包んだ生地をさらに折って伸ばしてを繰り返し……
そして表面にミルクを塗ったものをオーブンにイン。
リュカさんの父親もパン職人であり、リュカさんはクイニーアマンの作り方を7~8歳の時に学んだそうです。それから47~48年間、リュカさんはずっとクイニーアマンを焼き続けています。
生地をオーブンに入れてしばらく待つと……
こんな感じでなかなか巨大なクイニーアマンが完成。日本の菓子パンとは違い、何人かで分けて食べるスタイルのようです。
焼き上がったクイニーアマンはバターの多さゆえ、テカテカと光っています。
もちろん、バターや砂糖を減らすなどすれば、クイニーアマンをもっとヘルシーにすることは可能。しかし、リュカさんはこの「30%がバターで30%が砂糖」という形にこだわっているとのこと。
伝統的なレシピに従うのがドゥアルヌネのスタイルであり、このクイニーアマンは「健康に気を配った食べ物」ではなく、あくまで「楽しみ」のための食べ物なのです。
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