Googleが位置情報や検索傾向を追跡していることを消費者はどう思っているのか？

by Jon Russell

位置情報や閲覧履歴といったユーザーデータは、スマートフォンをより便利に使いやすくするために活用することができる一方で、使い方を誤ったり執拗にデータを収集したりすれば、ユーザーからの反感を買うことにつながります。Googleアプリがたとえ位置情報を無効にしても場所データを追跡・収集し続けていると判明したことで、Googleは「違法な追跡だ」と提訴されたり、ノルウェーの消費者団体から批判されたりと、マイナスの評価を集めました。長年疑問視されていたデータ収集と消費者のプライバシーに関する倫理について、オンラインの出版社団体Digital Content Nextが、消費者たちがどのように感じているか調査を行いました。

Does Google meet its users’ expectations around consumer privacy? This news industry research says no » Nieman Journalism Lab
https://www.niemanlab.org/2019/04/does-google-meet-its-users-expectations-around-consumer-privacy-this-news-industry-research-says-no/

2018年にコンサルティング会社Cambridge Analytica(ケンブリッジ・アナリティカ)がFacebookユーザー5000万人分のデータを保持し悪用していたスキャンダルによって、消費者たちは自らの個人データが許可無く利用されていることがあまりにも多いことに気付いたのだとDigital Content NextのCEOであるJason Kint氏は述べ、「2018年は消費者のプライバシー意識がピークに達した1年です」とユーザーのプライバシー意識の強まりを示しています。

Digital Content Nexが今回行った調査は以下のような結果になったそうです。おおむね、人々は自分のユーザー傾向に合わせた広告を好ましく思っておらず、またより適切な広告を届けるためにウェブ上で追跡されることはもちろん、Googleのサービス間で追跡されることも期待していないと述べたとのこと。

Q：
AndroidやChromeといったプラットフォームや、YouTubeや検索エンジン、マップなどのアプリケーションでの個人の行動データを収集することを期待していますか？

A：
はい 48％
いいえ 52％

Q：
広告のターゲットを絞り込むために、Googleがウェブ上でのユーザーの閲覧を追跡することを期待していますか？

A：
はい 43％
いいえ 57％

Q：
Googleのプラットフォームやアプリを使用していないときに、Googleがその人の居場所に関するデータを収集することを期待していますか。

A：
はい 34％
いいえ 66％

Q：
広告のターゲットを絞り込むために、GoogleがGoogle以外のアプリケーションの使用状況を追跡することを期待していますか。

A：
はい 36％
いいえ 64％

Q：
広告のターゲットを絞り込むために、Googleがデータ会社から個人情報を購入し、それを個人のオンラインでの使用状況と統合することを期待していますか。

A：
はい 33％
いいえ 67％

Q：
Googleがその人の検索傾向データを他のアプリケーション上の活動と収集して統合することを期待していますか？

A：
はい 57％
いいえ 43％

Q：
Googleのアプリとそれ以外のアプリ、およびGoogleアカウントのユーザーデータを結び付けることを期待していますか？

A：
はい 48％
いいえ 52％

半数以上の回答者が「Googleは期待通りに追跡データを活用している」と感じる項目は「ブラウジング傾向を他のアプリでも活用できる」のみで、他では多くの消費者が自らの位置情報やブラウジング傾向、ユーザー設定などを追跡されることを期待していないという結果になりました。消費者が実際に要求する物を理解し、それらの要求に期待を合わせ、業界の信頼を再構築していくことが重要だとJason Kint氏は提言しています。