メモ

人並み外れた戦略を生み出すための「二次的思考」とは?


ある目的を達成しようと戦略を立てるときや、直面した問題に対処するときなどは、まず目の前に立ちはだかる課題を正しく理解することが重要です。ただ、ひとつの問題をスマートに解決することだけが大事なのではなく、それを解決した後の長期的な影響も精査する必要があります。そのような「二次的な考え方」をすることの重要さを、よりよい生活のための教養をテーマにするブログFarnam Streetが紹介しています。

Second-Order Thinking: What Smart People Use to Outperform
https://fs.blog/2016/04/second-order-thinking/

ひとつの課題に向き合ったとき、最良と思える解決策を思いついたとしても、「正解を見つけた」と舞い上がりむやみにその手段を採るべきではありません。というのも、その課題に対する手段としては他の選択肢に比べて優れているように思えても、「その解決策が与える影響は何か」「その手段を採ったとき、その次に起こりうる問題はどうか」という視点に欠けているためです。


問題を一次的にだけではなく、その次(二次)の問題は、さらにその次(三次)の問題は、とn次元まで思考していくことを、ブログでは「二次的思考」と呼んでいます。この二次的思考にまで至ることは、思考を際立たせる強力なツールになると述べられています。


二次的思考という言葉は、アメリカの投資家ハワード・マークスが著書「投資で一番大切な20の教え」で解説したアイデアです。投資の現場において、第一段階の思考は単純かつ表面的で、それが確からしい選択肢だとしても、誰もがそれを選択できるため戦略としての価値は低くなります。

一方で第二段階の思考、すなわち二次的思考はより複雑で慎重に行われます。第一段階の思考で想定した戦略を採ったときの影響について考え、それを決定にフィードバックさせることで、誰にも思いつくアイデアではなく、他の人には見えないものを見いだすことができるようになるとのこと。


このような複雑な思考を可能にするための「考える能力を鍛える方法」について、ブログは4つのアイデアを紹介しています。一次的思考を行った後、まず1つ目のアイデアは、一次的思考を行った後で「そしてその後どうする?」と自問すること。次に2つ目のアイデアが、「その戦略を採った10分後は、10か月後は、10年後はどうなる?」と時間を織り込んだ思考をすること。3つ目のアイデアは、一次、二次、三次の思考の結果を一覧にし見直すこと。これにより、思考を調整することが可能になります。そして4つ目のアイデアが、二次的思考をビジネスシーンで活用する際に、採用した戦略に対する従業員や競合他社の反応を想定することだそうです。


ここで重要なことは、二次的思考が必ずしも最初の決定に影響を与えるとは限らないという点です。最良に思える選択肢が確かに最良だったとしても、一次的思考のみでそれを選択した場合と、二次的思考によってそれにたどり着いた場合とでは、問題および戦略に対する理解度が大きく違ってくるため、同じ結果のようでも大きく内容は異なっています。

並外れた戦略というのは、「一次的には否定的な印象ではあるが、二次的には肯定的なもの」を選択した結果だとブログでは指摘されています。多くのプロセスを要する代わりに大衆から自分を切り離すことができる二次的思考を用いると、短期的に利益を得られないように見えても、二次・三次の段階でプラスに転じるならば競合が少なくなるため、結果的に優れた結果を得られるというわけです。

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in メモ, Posted by log1e_dh

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