メモ

作家でありながら大金を稼ぐプロのポーカープレイヤーになった人物

by Michał Parzuchowski

女性作家のマリア・コンニコワ氏は、2017年にゼロからトランプゲームの「ポーカー」を学び始め、その体験を書籍化する予定でした。しかし、コンニコワ氏はポーカーに夢中になりすぎ、賞金のかかったトーナメントで大金を得られるほどの実力を身につけてしまったため、一時は書籍の出版が延期される事態にまで発展しました。そんなコンニコワ氏が、プロのポーカープレイヤーとして活動した中で得た知見を語っています。

Maria Konnikova Won a Quarter Million Dollars Playing Poker
https://www.thecut.com/2019/03/maria-konnikova-won-poker-tournament.html

コンニコワ氏が初めてポーカーをプレイした2017年当時、彼女の中に「お金のためにポーカーをプレイする」という考えは一切ありませんでした。女性作家のコンニコワ氏はNew Yorkerにも連載を抱える人物で、心理学の博士号も持っているという才女です。コンニコワ氏はプロのポーカープレイヤーであり、プロポーカープレイヤーの殿堂入りである「Poker Hall of Fame」にも名を連ねるエリック・サイデル氏からポーカーを学び、ポーカーについての書籍「The Biggest Bluff」を出版する予定でした。

しかし、コンニコワ氏はポーカーにのめり込むうちにプロのポーカープレイヤーも出場する大会で勝利し、大金を稼げるほどの腕前を身につけてしまいました。実際、2018年1月に開催されたPokerStars Caribbean Adventure(PCA)のナショナルチャンピオンシップで優勝し、8万4600ドル(約940万円)の賞金を獲得しています。大会で優勝したことで、コンニコワ氏は書籍の出版予定を延期し、さらなるポーカーの大会への参加を決めたそうです。

The Biggest Bluff? Psychology Ph.D. and New Yorker writer Maria Konnikova beats the pros at poker in the Bahamas. https://t.co/MEqSbkHp2x pic.twitter.com/EPwdW9MmmK

— PokerStarsBlog (@PokerStarsBlog)


実際にプロのポーカープレイヤーとしてツアーに参加した経験を振り返り、コンニコワ氏は「実際にはプロのポーカープレイヤーは非常に多くの金銭を必要とする困難な職業です。もしもトーナメントプレイヤーであるなら、長い間少しのお金も稼げない準備ができていなければいけません」と、ツアーに参加するプロプレイヤーの直面する厳しさについて語っています。


プロのポーカープレイヤーは1つのトーナメントで20万ドル(約2200万円)という大金を稼ぐこともあります。しかし、トーナメントに参戦すれば2000~5000ドル(約22~55万円)程度のBuy-Inが必要となり、複数のトーナメントに出場するということになれば、そんな賞金は一気に吹き飛ぶことになるとのこと。

実際に2018年にポーカーで大金を稼いだコンニコワ氏ですが、その後のトーナメント参戦などに賞金を使っていったところ結局手元に残ったのは1万ドル(約110万円)程度だったそうです。それほどポーカーのトーナメントのBuy-Inは高額であり、観戦している人々はそのことを「過小評価している」とコンニコワ氏。また、コンニコワ氏は多くのポーカーのトーナメントに参加したため、2018年には年間で8か月もの間世界中の至る所を旅することとなったそうで、1年中ポーカーの大会に参加しているプレイヤーの中には特定の住所を持たずに世界中を飛び回っているという人もいるそうです。

Poker represent! Pre-gaming our panel with @SBlum2711#SSAC19 #ANumbersGame #PokerAnalytics pic.twitter.com/M7B9RVxuBK

— Maria Konnikova (@mkonnikova)


1つの大会で8万4600ドルもの大金を稼ぐことに成功したコンニコワ氏は、「それが間違いなく私の1日を変えた」と語っています。しかし、経済的にコンニコワ氏の人生を大きく変えることはなかったそうです。その理由は、コンニコワ氏がポーカーのプレイヤーとして活動している間、それまでの作家としての活動は停止状態であったためだそうです。つまり、プロのポーカープレイヤーとして活動していた際は、コンニコワ氏にとってポーカーが唯一の収入源であったとのこと。

そのため、「私はちょうど8万6000ドル(約960万円)を稼ぎました。しかし、プレイを続けるにはホテルを用意したり航空券を手配したりしなければいけません。多くのポーカープレイヤーはこの支払いが原因で破産していきます。ポーカーの賞金は高く課税され、約60%も税金で引かれます。そのため賞金がそれほど多く手元に残らないことに私は気づきました」とコンニコワ氏は語っています。

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Not quite sure what I’m doing in this photo, but excited to be going back to the Bahamas for #PCA2019 in just two days! It’s almost #PSPC time! @pokerstars . . . #poker #pokerpro #pokerface #pokertournament #pokerlife #pokerstars #bahamas #atlantisbahamas

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多くの人が想像するような1対1で戦うポーカーの場合、お互いが100ドル(約1万1000円)を持って対戦したとして、勝利すれば100ドルをそのまま得ることが可能で、負けた場合でも再度戦うことが可能です。しかし、大勢が参加するトーナメントでは参加者が一定の金額でBuy-Inしたとしても、賞金をゲットできるのは参加者全体のうち上位10~12%程度となります。そのため、トーナメントに参加しても1位や2位といった好成績を残せなければ旅費さえまかなうことができないとのこと。例えば1000人規模のトーナメントの場合、900人以上が1ドルも手に入れられないまま大会を後にするそうです。

また、コンニコワ氏は「ポーカーが金持ちになるための方法だとは思わない」と記しながら、世界最大規模のポーカートーナメントであるワールドシリーズオブポーカーの優勝賞金は800万ドル(約8億8000万円)以上なので、こういった大会に優勝すれば人生が変わることは間違いないと述べています。加えて、「お金が稼げないのになぜポーカーのプロプレイヤーになるの?」という疑問に対して、「ポーカーが魅力的なゲームだから」と答えています。

by Chris Liverani

コンニコワ氏は「男性主導の社会では社会的な手がかりに敏感にならなければいけないため、女性はいいポーカープレイヤーになる可能性がある」と記しています。コンニコワ氏は女性が本質的に他人の心を読むのがうまいわけではなく、生存メカニズムとしてそういったスキルを磨かずにはいられなかったのだと推測しています。そんな女性であるがゆえに培われたスキルのうち、コンニコワ氏が特にポーカーで役立ったと考えているスキルが「感情をコントロールする力」だそうで、これにより男性が通常必要としない方法で人の心を読むことができるようになった、と記しています。

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in メモ, Posted by logu_ii

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