レビュー

Nintendo Switchでカルト教団の教祖となって村人の命を神にささげながら運営する超激ムズシミュレーション「The Shrouded Isle」プレイレビュー


カルト教団の信者で構成されている村を、村人の命を神に生贄(いけにえ)としてささげながら、いずれ来る世界の終末に備えて指導者として運営していくシミュレーションゲームが「The Shrouded Isle」です。2017年にPC向けに発売されたThe Shrouded Isleが、2019年3月7日からNintendo Switchでも配信されたので実際にプレイしてみると、シンプルなビジュアルとは裏腹に超絶難度のシミュレーションとなっていました。

The Shrouded Isle
http://www.kitfoxgames.com/shrouded-isle/


「The Shrouded Isle」の任天堂公式PVは以下のムービーから見ることができます。

The Shrouded Isle(ザ・シュラウデドアイル)Japanese Switch Launch Trailer - YouTube


ゲームをスタートするとこんな感じで、まるでゲームボーイの画面のようなモノクロ基調の画面となっています。村には大聖堂と5つの家があり、画面下部には「無知」「情熱」「自制」「後悔」「服従」という5つの特性パラメーターが表示されています。時代設定は「500年後に最後の審判の日が訪れる」という教祖の予言から495年。予言が正しければあと5年で世界が滅んでしまうため、村からすべての罪をなくすことがこのゲームの目的。


カルト教団が運営する村は非常に狭く閉鎖的で、村人は5つの一族のみで構成されています。一族には担当する特性が決まっています。監督官のケグンニ家は「無知」を担当。


「情熱」をつかさどる仲裁者のイオセフカ家


「自制」を促すカドエル家


「後悔」をあおる司教代理のエファソン家


「服従」を誓わせる審問官のジシュカ家。教団を運営するためには各一族からそれぞれ1人を顧問に指名する必要があります。「顧問を指名」を選び、1人を選択。


選出した5人の顧問から、運営に携わる者を最大3人まで選び、「月を始める」を選択することで宗教活動が始まり、最後の審判を迎える日に備えて村人を導くのがこのゲームの基本です。


顧問に応じて、5特性のパラメーターが変化します。顧問が属する一族の担当特性は上がりますが、それとは別に、村人には必ずパラメーターを上昇させる「徳」と下降させる「悪徳」がそれぞれ決まっています。例えば、以下のケグンニ家のヴァンテは、運営に携わると一族が担当する「無知」が上昇するのに加えて、「自制」が上昇し、「後悔」が下降します。つまり、すべての村人には固有のパラメーター変動が定められているというわけ。


村人の徳や悪徳は、最初は「??????」となっているため、その詳細が分かりません。一族の家系図を表示して「調査を開始」を選ぶと、調査という名の尋問を行い、変動するパラメーターの種類やその変動量を調べることができます。


例えばイオセフカ家のミコに「お前の徳はなんだ?」と尋問したところ……


「情熱」を上昇させる徳を持っていることがわかりました。ただし、「お前は裏切り者なのか?どうだ!」と村人を尋問することとなるので、一族からの「忠誠度」が下がってしまいます。


また、運営に携わった一族は忠誠度が上がり、逆に携わることができなかった一族の忠誠度は下がります。


一族の忠誠度が下がり切って「反抗的」になってしまうと、反乱を起こされゲームオーバーになってしまいます。そのため、すぐに村人を調査するのではなく、まずは画面に表示されるメーターの動きを見ながらおおまかな変動量を予測することが重要です。


顧問による運営は3カ月(3ターン)行います。


3カ月が終了すると、5人の中から神にささげる生贄(いけにえ)を選ばなければなりません。教団運営のために選出した顧問は、実は生贄候補だったというわけ。生贄にする顧問を選ぶと……


怪しげな儀式が始まり……


グサッ!


村人の命は神にささげられ、死んでしまいます。しかし、ささげられた村人の命はきっと我が教団を終末から救ってくれるに違いありません。


村人の中にはパラメーターを激しく下げる悪徳を持つ者がおり、そんな村人こそ罪深き裏切り者であり、生贄にふさわしい存在です。「生贄の儀式」は世界の終末を迎えるためのようで、その実は教団の運営に害をもたらす者を排除するためのものでした。プレイヤーは、裏切り者と疑わしき村人を顧問に選び、神にささげるという名目で抹殺しなければいけません。例えばこのケグンニ家のヴァンテを顧問にしたところ、ヴァンテの悪徳によって「後悔」が猛烈に下がってしまいました。「こいつは罪深き存在なのでは?」と思って、調査、もとい尋問を行ったところ……


「後悔」のパラメーターを30下げる「嘘つき」だったことが判明。このゲームの真の目的は、村人の中に潜む裏切り者を、調査を重ねてあぶり出し、顧問に選んでから生贄にささげて排除することです。


以下のカドエル家のヴァジムも、「無知」を30も下げる「芸術家」という悪徳を持っています。本来、自分の一族を生贄にされると一族は激怒して忠誠度が下がってしまいますが、教壇の裏切り者であることがわかっていれば渋々ながらも決断に従うため、忠誠度は下がりません。教団を円滑に運営するためにも、臆測で村人を生贄にして一族の忠誠度を下げないように、パラメーター変動をチェックしながら「誰が裏切り者なのか」をしっかり見極める必要があります。


教団の運営を始めてしばらくすると、村の中で伝染病が広まり始めます。伝染病に感染した村人は、病気の影響で徳が悪徳に変化してしまいます。一族の中に伝染病を発症した者が現れてそのまま放置してしまうと、その一族の中でどんどん感染が広まっていくため、すみやかに対応する必要があります。


教団には医療設備はないようで、感染者はひとまず監禁されます。「監禁」を選んで、感染者を選択。


すると、感染者の肖像画がオリに閉じ込められてしまいます。


村の左上にある「塔」を選択すると……


監禁されている者と面会が可能。


伝染病にかかったエファソン家のベラの苦痛を取り除くためには「浄化」を行います。


するとベラが閉じ込められたオリが水の中へ。水責めで徹底的にベラの苦痛を取り除きます。ただし、「調べる」で病状を把握しないまま浄化を行った場合、まれにそのまま溺死してしまうため、注意が必要。溺死した場合は一族からの反感を買います。


このゲームでなによりも大変なのがパラメーターの維持。パラメーターが下がり過ぎると、画面下部に表示されるメーターが赤色になり……


警告されます。赤色になったパラメーターが次の季節でも回復せず赤色のままだと……


もはや世界の終末待ったなしの状態に。


こうなってしまうともちろんゲームオーバー。「後悔」が回復しない場合は「最後には自らを祭壇へと捧げた」と、悲壮な「終末」が訪れてしまいます。


指導者であるプレイヤーには神からお告げという名の達成目標が与えられます。この目標をクリアすると、エンディングに変化がある模様。


また、時折イベントが起こり、指導者として選択を迫られることもあります。


なお、ゲーム画面の色は変更することができます。-ボタンを押すとメニューが出るので、「設定」を選択し……


「色彩」の欄を変更すればOK。デフォルトは「焼けつく光」となっています。


「毒蔦」は明るい緑色


「火葬灰」は明るいグレーなど、8種類から選ぶことができました。


「The Shrouded Isle」は、「変動するパラメーターをチェックしながら、村人の中から裏切り者をあぶり出す」というシンプルなゲーム内容で派手なビジュアルこそないものの、5つのパラメーターや一族の忠誠度、伝染病など、注意を払って管理しなければならない部分が非常に多く、激烈に高い難度になっています。村人をあぶり出すためには調査を行わなければなりませんが、調査を行うと一族の忠誠度が下がります。一族の忠誠度を上げるために、積極的に顧問を運営に携わらせると、裏切り者が潜んでいた場合はパラメーターがもりもりと下がっていきます。まさに「あちらを立てればこちらが立たず」で、何も考えずにボタンをポチポチ押して進めていくと一瞬でゲームオーバーになるので、メモを取りながら推理して進めていくのがおすすめ。

ゲームの説明やシステム解説が一切なく、何度もゲームオーバーになりながらプレイを繰り返してシステムを把握する必要がある点もゲームの難度を上げている要因の一つ。モノクロ基調のUIも相まって、説明書のないレトロゲームを遊んでいるような感じを受けました。ゲーム自体はサクサクと進むので、ゲームに慣れるまでは、1プレイに腰をすえてじっくり進めていくよりも何度も教団の崩壊を迎えながら世界の終末に備える方がいいかもしれません。


「The Shrouded Isle」はNintendo Switchで、税込1480円でダウンロード購入が可能です。また、PC版はSteamで、税込980円で購入できます。

Nintendo Switch|ダウンロード購入|The Shrouded Isle(ザ シュラウディッド アイル)
https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000016467


Steam:The Shrouded Isle
https://store.steampowered.com/app/501320/The_Shrouded_Isle/

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in レビュー,   動画,   ゲーム, Posted by log1i_yk

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