Googleでは同じ仕事内容でも女性の方が男性より多くの給料を受け取っていたと判明

by :D

「女性は男性よりも賃金が低い」ということは近年繰り返し指摘されており、その理由として「男女で選択の違いがあるため」「協調性が高いため」など、さまざまな説が唱えられています。そんな中で多くの企業は男女の賃金格差解消に乗り出していますが、Googleでは男女における賃金の平等を実現するために給与の分析を行った結果、「同じ仕事内容の場合、男性よりも女性の方が賃金が高かった」という事実が明らかになりました。

Ensuring we pay fairly and equitably
https://www.blog.google/inside-google/company-announcements/ensuring-we-pay-fairly-and-equitably/

Google found it paid men less than women for the same job | TechCrunch
https://techcrunch.com/2019/03/04/google-found-it-paid-men-less-than-women-for-the-same-job/

Google Moves to Address Wage Equity, and Finds It’s Underpaying Many Men - The New York Times
https://www.nytimes.com/2019/03/04/technology/google-gender-pay-gap.html

Googleでは2017年に、上級エンジニアであるJames Damore氏が「女性と男性には生物学的な違いがあるため、女性はコーディングに向いていない」といった社内文書を共有し、女性への偏見があるとして大きな問題となりました。GoogleはDamore氏の発言を問題視し、即刻解雇しています。

Google内で「女性はコーディングに向いてない」という社内文書が共有されていたことがネット上で発覚して大論争に発展 - GIGAZINE

一方で同年、Googleに対して3人の元従業員が「同じような条件下でほぼ同じ仕事をしているのに、女性の方が賃金が低い」という訴えを起こし、Googleがこの訴えに反論するという事態も発生しました。元従業員らの訴え自体は地裁で却下されていますが、Googleを含めたシリコンバレーのIT企業では、男女格差の解消に乗り出しているところが増えています。

Googleは2012年から社内の不当な賃金格差の分析を行っており、2017年には「Google従業員のうち89％を対象に給与格差を分析した結果、修正が必要だとみられた228人の給与に合計27万ドル(約3000万円)を追加した」と発表しました。2018年は前年度よりも多いGoogle従業員の91％について詳細な分析を行った結果、合計で1万677人の従業員に対し合計970万ドル(約10億7000万円)もの調整額が支払われることになったとのこと。

いったいなぜ1年でこれほど調整規模が変化したのかという点について、Googleの賃金衡平アナリストのLauren Barbato氏は、「2018年は『レベル4』のソフトウェアエンジニアについて、男性が女性よりも受け取った賃金が少ないケースが多く見つかったため、多数の調整が行われました。また、新規採用者についても分析を行って調整を行った結果、新規採用者に支払われた額は調整額全体のうち49％を占めました」と述べています。

by TheDigitalWay

調整が行われた従業員の詳しい内訳についてGoogleは公開していませんが、調整額の増加理由に「男性よりも女性の方が賃金が高かった」という点が挙げられていることから、TechCrunchやニューヨーク・タイムズはGoogleにおいて「女性の方が男性よりも多くの賃金が支払われていた」とみています。

Googleの従業員は圧倒的に白人およびアジア人の男性が多いとのことですが、給与の調整をはじめとするさまざまな施策によって、男女の平等を実現していくとしています。「賃金格差の是正を通じて、Googleが従業員にとって素晴らしい勤務先であることを保証していきます」とBarbato氏は述べました。

by rawpixel.com