AppleはiPhoneが売れなくなった後の新たな収益モデルを模索中

by Jorge Quinteros

AppleはiPhoneによってスマートフォン市場に確固たる地位を築き上げており、収益の多くをiPhoneの売り上げによってまかなっています。その一方でAppleはいつまでもiPhoneに依存する気はないようで、「すでにAppleはiPhoneが売れなくなった後の収益モデルを探している」と報じられています。

Apple’s Executive Shake-Up Readies Company for Life After iPhone - WSJ
https://www.wsj.com/articles/apple-executive-shake-up-readies-it-for-life-after-iphone-11550503767

Apple could be looking for its next big revenue model | TechCrunch
https://techcrunch.com/2019/02/18/apple-could-be-looking-for-its-next-big-revenue-model/

Appleは2019年の第1四半期決算において、「iPhoneの売り上げが15％もダウンした」ことを発表しており、収益は同年前期比を下回る結果となりました。

iPhoneの売上が15％ダウン、Appleが2019年の第1四半期決算を発表 - GIGAZINE

iPhoneが苦戦した理由としては、中国市場において安価なスマートフォンの販売が増えたり中国経済が停滞したりしたことのほか、単純にユーザーが1台のiPhoneを長く使うようになったことも挙げられています。また、iPhoneの価格が1000ドル(約11万円)を超えたことも売り上げが伸び悩んだ理由として考えられるかもしれません。

そんなiPhoneが苦戦している状況である今、AppleはiPhoneが売れなくなった後の収益モデルについて模索していると報じられました。Appleが次に見据えているのは、「サービス事業」である可能性が高いと見られています。

by PhotoMIX Ltd.

いまだにiPhoneが収益の柱となっている2019年の第1四半期においても、Appleはサブスクリプションなどのサービス事業が大幅に成長したことを報告しています。iCloudやApple Musicなどのデジタルコンテンツを含むサービス事業の売上高は109億ドル(約1兆2000億円)に達したとのことで、前年同期比で19％もの成長を達成しました。

109億ドルという数字は、2019年の第1四半期全体の収益である843億ドル(約9兆2000億円)のうち、少なくない割合を占めています。また、モルガン・スタンレーのアナリストによれば、2023年までにサービス事業の売上高が年間で1000億ドル(約11兆円)を超えると予想しています。

Appleはさまざまなサブスクリプションサービスの展開を計画しており、「ゲーム版Netflix」のようなゲーム配信サービスや、「雑誌版Netflix」のような有料購読サービスを計画していると報じられています。

Appleが「ゲーム版Netflix」のような独自のゲーム配信サービスを計画中と報じられる - GIGAZINE

Appleが「Netflixの雑誌版」となるニュースの有料購読サービスを2019年3月開催のイベントで発表か - GIGAZINE

また、Appleは過去に携帯音楽再生プレーヤーのiPodを売り出してから音楽ストアのiTunesを展開したり、スマートフォンのiPhoneの販売後にアプリストアのApp Storeを開始したりと、デバイスとサービスを組み合わせて大きな成功を収めてきました。iPhoneに代わる収益モデルは新たなデバイスとサービスの組み合わせになるのではないかともウワサされており、ARやVR、自動運転車、人工知能など、Appleが進出しているさまざまな分野において次世代の収益モデルが誕生する可能性があります。

by hurk