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よりよい健康をもたらすために適切な呼吸法とは?


人間にとって呼吸とは「酸素を吸って二酸化炭素を吐く」という生きるために必要不可欠な運動であり、肉体的・精神的な健康にも大きな影響を与える運動でもあります。深呼吸を行うことでストレスが緩和されることもあれば、精神的不安や過度の緊張によって過呼吸が引き起こされることも。そんな呼吸について、どういった呼吸法を行えば肉体や精神にいい影響を及ぼすのかをScientific Americanがまとめています。

Proper Breathing Brings Better Health - Scientific American
https://www.scientificamerican.com/article/proper-breathing-brings-better-health/


中国の道教やインドのヒンドゥー教では、「気」や「プラーナ」と呼ばれる生命エネルギーを支えるものの1つとして呼吸が重視されていました。また、古代ギリシャ語の「pneuma」やラテン語の「Spiritus」には「精神」以外に「呼吸」という意味が含まれているように、西洋でも精神と呼吸をリンクさせる考え方が古来から存在します。


1920年代にドイツの精神科医であるJohannes Heinrich Schultzが考案した「自律訓練法」と呼ばれる自己催眠法は、そのアプローチの基礎として深呼吸を採用していて、現代でもヨーロッパやアメリカではリラックス目的でよく用いられているそうです。また、昨今人気のある瞑想(めいそう)法であるマインドフルネスも呼吸に基づいて行われるなど、体と心を落ち着かせるためのアプローチとして、呼吸は現代でも一般的なテクニックとなっています。

リラックスを促進するための呼吸法として、Scientific Americanは「心臓コヒーレンス」を紹介しています。心臓コヒーレンスは「ゆっくりと深呼吸を行うと迷走神経が興奮し、副交感神経の活動が優位となる」という生理学的メカニズムを利用した呼吸法で、最初は心拍数に合わせて呼吸を調整しながら、その呼吸をだんだんゆっくり落ち着かせることで、今度は呼吸から心拍数を落ち着かせて安定させるというもの。


呼吸を制御して健康に役立てるというテクニックは伝統と経験に裏打ちされたものですが、現代ではその効果を認めるような研究結果も発表されています。ただし、Scientific Americanはそういった研究の中には科学的検証が中途半端なものも多いと指摘し、さらなる研究が依然として必要だと述べています。また、「筋肉の緊張や呼吸などの生理機能に意識を集中しすぎると、人によってはパニック発作を招いてしまう可能性があることも注意しなければならない」とScientific Americanは警告しています。

最後に、Scientific Americanは、日常的に5~10分ほど行うことで散発的なストレスを和らげられるような呼吸のコツを6つ、以下の通りに示しています。

◆1:まっすぐ立ち上がる
こわばったり背中を傾けたりせず、姿勢よくまっすぐと立つことで、横隔膜と肋骨の間にある呼吸筋が自由に動かせるようになり、体全体を使ってきちんと呼吸することができるようになるそうです。

◆2:呼吸の動きに意識を向ける
呼吸そのものを精神的に集中して見つめるということではなく、単に「息を吸う」「息を吐く」という動作を意識するということを意味します。鼻やのどを空気が通っていく感覚や胸や腹の動きに意識を向けるようにScientific Americanは勧めています。

◆3:腹式呼吸を意識する
胸を大きく膨らませる胸式呼吸よりも、横隔膜を動かし腹部を膨らませて息を吸う腹式呼吸の方が好ましいとのこと。腹式呼吸ができているかどうかわからない場合は、腹部に片手を置いて横になって呼吸をすることで感覚をつかむことができるそうです。


◆4:リズミカルに呼吸を行う
息を吸い終わったら、または息を吐き終わったら、一度呼吸を止めて頭の中で3秒数えます。呼気と吸気の間に3秒の一時停止を挟むことで、呼吸がゆっくりと落ち着いていきます。

◆5:鼻呼吸を行う
一方の鼻の穴を指で閉じ、もう片方の鼻の穴からゆっくりと呼吸を行います。何回か呼吸をしたら、鼻の穴を交代させます。Scientific Americanによると、鼻呼吸は口呼吸よりも健康への影響が大きいことが研究によって示唆されているとのこと。

◆6:呼吸でリラックスすることを意識する
呼吸をするたびに「自分は落ち着いて息を吸っている」とリラックスすることを意識するように考えます。また、息を吐く度に「息と共に自分の恐怖や悩み事を全て吐き出している」というイメージを持つことが重要だとScientific Americanは述べています。

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in メモ, Posted by log1i_yk

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