ネットサービス

Amazonの成長の原動力である「Amazonフライホイール効果」とは?

by Vestman

世界的なオンラインショッピングサイト「Amazon.com」は、創業者のジェフ・ベゾス氏がヘッジファンドのD・E・ショウに勤めているころに思いついたアイデアがもとになっています。その成長の原動力は「Amazonフライホイール効果(Amazon Flywheel Effect)」と呼ばれる好循環でした。

Applying the Amazon Flywheel to Your Online Business - Sellics
https://sellics.com/blog-applying-amazon-flywheel-to-your-online-business


The Amazon Flywheel: Part 1 — Sam Seely
http://www.samseely.com/blog/2016/5/2/the-amazon-flywheel-part-1

フライホイールとは、はずみを利用し、回転を持続させ、回転の速さを一定にするため回転軸に取り付ける大きく重い車のこと。Amazonの場合、うまく回り始めればあとは回転が持続するという意味で「Amazonフライホイール効果」と呼ばれています。


ジャーナリストのブラッド・ストーン氏による著書「ジェフ・ベゾス 果てなき野望」によれば、Amazonが「フライホイール効果」を発見したのは2001年で、名称は戦略アドバイザーのジェフ・コリンズ氏によってつけられたとのこと。

これがその「Amazonフライホイール効果」を示した図です。もとになったのは、ジェフ・ベゾス氏によるラフなスケッチだったそうです。まず、低コスト構造でビジネスを始めることで、商品の低価格化を実現し、顧客の満足度を高めます(=「顧客体験」)。満足な買い物ができた顧客は再び買い物をするので、全体として取引量が増えます。すると参入する売り手が増えるので、品揃えが充実します。結果的に、顧客満足度はさらに高まることになります。あとは「取引増→売り手増→品揃え増→顧客体験向上」が1つのサイクルとして回り続けるというわけです。


このサイクルに「利益を得る」という外向きの矢印は存在せず、閉じた構造であることをアナリストのベネディクト・エヴァンス氏が指摘しています。

Why Amazon Has No Profits (And Why It Works) — Benedict Evans
https://www.ben-evans.com/benedictevans/2014/9/4/why-amazon-has-no-profits-and-why-it-works

Amazonは長年にわたって売上高を伸ばしており、2018年第3四半期には6兆円以上を記録していますが、一方で利益は過去最高とはいえ3240億円と、売上の1割以下となっています。これは「Amazonの運営コストが膨らんだから」や「特定事業で損失を被ったから」ではなく、既存の事業で上げた収益がどんどん新規事業の創出に充てられているからです。

エヴァンス氏は、Amazonはアメリカの小売市場の約1%を占める存在になっており、もう新規事業や新カテゴリーに進出するのではなく利益を得るべきではないかと指摘していますが、ベゾス氏はさらなる投資を続けるであろうとみられています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Amazonが社内用に提供していた機械学習コンテンツ群を無料で公開開始 - GIGAZINE

AmazonのCEOジェフ・ベゾスも愛する「静かな会議」はなぜ効率的なのか? - GIGAZINE

Amazonの成長にブレーキか、eコマース市場ではAmazonのライバル企業が着実にシェアを伸ばしていることが明らかに - GIGAZINE

in メモ,   ネットサービス, Posted by logc_nt

You can read the machine translated English article here.