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日本で大ヒットした映画「カメラを止めるな!」の海賊版がAmazonプライムで配信される


わずか数百万円の製作費で興行収入30億円以上を記録したインディーズ映画「カメラを止めるな!」の海賊版が、Amazonのビデオ・オン・デマンドサービスであるプライム・ビデオ上で配信されるという事態が発生しました。

A bootleg version of One Cut of the Dead was uploaded to Amazon Prime - Polygon
https://www.polygon.com/2019/1/3/18167263/one-cut-of-the-dead-bootleg-amazon-prime

脚本・監督を上田慎一郎が担当した映画「カメラを止めるな!」は、わずか250万円という超低予算ながら、2018年に日本で最も多く観られた映画のひとつとなった作品です。日本国内では最終的に興行収入30億円を突破するという大ヒットを記録しており、このヒットを機に、「カメラを止めるな!」の海外での配給が準備されていました。

しかし、この「カメラを止めるな!」の海賊版が海外のプライム・ビデオ上にアップロードされました。ゲーム系メディアのPolygonによると、Amazonは配信者がプライム・ビデオ上に手軽に動画をアップロードできるように、YouTubeのコンテンツIDと同様のシステムを使用してアップロードされるコンテンツの所有権を確認しているそうです。そのため、「カメラを止めるな!」のような小規模のインディーズ映画の場合、海賊版データを持っている人ならば誰でも映画をアップロードできてしまい、今回のような問題に直面する可能性があるとのこと。

映画『カメラを止めるな !』予告編 - YouTube


プライム・ビデオ上に映画がアップロードされた直後に削除されたとしても、Primeユーザーはコンテンツをダウンロードしてオフラインで視聴することができます。Amazonはこの端末にダウンロードされたコンテンツまで削除することはできないため、今回の出来事は「カメラを止めるな!」の海外配給に「大きな影響をおよぼす可能性がある」とPolygonは指摘しています。


「カメラを止めるな!」の海外での配給権を持つThird Window FilmsのAdam Torel氏は、説明を求めてAmazonとコンタクトを取っているそうですが、「中小企業としては、訴訟は時間と費用がかかる可能性があります。これがもしも新しいアベンジャーズ映画やアカデミー賞作品だった場合、何が起こったでしょうか?」と語っています。

意図せず海賊版が配信されてしまった「カメラを止めるな!」ですが、Third Window Filmsは公式Twitter上で正式な英語版が1月4日からイギリスの映画館で公開となり、1月28日にはDVDおよびBlu-ray版が発売されるとアナウンスしています。

Proper version is out in UK cinemas jan 4 and dvd/blu Jan 28
But this shit may have caused american release to be stopped...

— Third Window Films (@thirdwindow)


なお、海外のビデオ・オン・デマンドサービス上で「カメラを止めるな!」が正式に配給されることになるのかどうかは記事作成時点では不明です。しかし、2018年に日本で最も売れた映画のトップ10に入る作品が海賊版をアップロードされてしまったということは、「プライム・ビデオのアップロードプロセスに疑問を投げかけている」とPolygonは指摘しています。

映画『カメラを止めるな!』公式サイト

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in ネットサービス,   動画,   映画, Posted by logu_ii

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