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iPhone XRの登場でAndroidからの乗り換えユーザーが増加、「高価なiPhoneの需要は少ない」という報道を覆す結果も


調査会社のConsumer Intelligence Research Partners(CIRP)が公開した最新のレポートが、iPhone XRは発売から最初のひと月でiPhone 8やiPhone Xといった2017年モデルのiPhoneよりも多くのAndroidからの乗り換えユーザーを獲得していたことが明らかになっています。

Microsoft Word - CIRP news release 2018-12-26 Apple.docx
(PDF)https://files.constantcontact.com/150f9af2201/4faf00dd-9f5d-4bcf-93c3-7a21215e69c3.pdf

iPhone XR launch attracted more Android switchers in the U.S. than the iPhone 8 & iPhone X
https://appleinsider.com/articles/18/12/26/iphone-xr-launch-attracted-more-android-switchers-in-the-us

CIRPのデータによると、iPhone XRの最初の販売月(2018年10月末から11月末)にiPhoneを購入したユーザーの約16%が、AndroidからiPhone XRへの乗り換えユーザーであったとのこと。2017年に発売されたモデルであるiPhone 8と比べると、AndroidからiPhone XRへの乗り換えユーザーは33%増、iPhone Xと比べると45%増となっており、iPhone XRは2017年モデルと比べてAndroidユーザーにとってより魅力的な端末であることが数字から明らかになっています。

以下のデータは2016年9月、2017年9月、2017年11月、2018年11月にアメリカでのiPhoneの各モデルの販売シェアを調査したもの。2018年11月に発売されたiPhone XRは、発売から最初のひと月での販売シェアが32%、iPhone XSとiPhone XS Maxは合計で35%となっています。それに対して、iPhone Xは発売から最初のひと月での販売シェアが30%、iPhone 8は25%、iPhone 8 Plusは30%でした。


CIRPの共同創業者であるマイク・レビン氏は、レポートの中で「iPhone XRは、現在Androidユーザーを引きつけるために役立っている、ということがレポートにより示されました。もちろん、Appleがそのような発売戦略を明確に述べているわけではありませんが、価格と機能に基づき、AppleがiPhone XRを『Androidからの乗り換えを検討する人』にアピールするための端末として位置づけていると推論することはできます」と記しています。

AndroidユーザーにとってiPhoneの価格設定は長らく重要な問題となっていました。これまでAppleは、iPhone SEを「Androidからの乗り換えユーザーをターゲットにした端末」として位置づけていたとCIRPは分析しています。iPhone SEはiPhoneとしては最も安価なモデルですが、2018年12月時点では生産中止となってしまっているため、新しく購入しようというユーザーの数はそれほど多くありません。この層を狙った新しい端末がiPhone XRなのではないかとCIRPは調査データから推測しているわけです。


同時にCIRPのデータを見るとわかるのが、「Appleはユーザーをハイエンドモデルに移行させることに成功している」ということ。2016年時点で最も人気の高い端末は最も高価なiPhone 7 Plusではなく、ミドルレンジのiPhone 7でした。しかし、2017年になると最も人気なモデルはiPhone 8 PlusからiPhone 8に変わっており、さらにハイエンドのiPhone Xが登場するとiPhone Xが最も人気のモデルに変わっています。

発売当時、「iPhone Xは1年で終了」などと報じられ、高価すぎるiPhone Xの売れ行きは芳しくないと報じられました。同じように、iPhone XRも需要が減少していると報じられました。しかし、2018年に発売されたFace ID搭載の新型iPhone3モデルはなんとiPhone全体の65%以上を占めており、これらは大幅に値引きされたiPhone 7やiPhone 8と同時に販売されていることを考えると、「iPhone購入者がより安価なiPhoneを求めている」というメディアの報道はまったく的外れのものであり、Androidからの乗り換えユーザーですらより高価なiPhoneを購入する意志がある、とニュースサイトのAppleInsiderは記しています。

また、データアナリストのHorace Dediu氏がツイートした、「現在使用しているスマートフォンのブランドを継続して購入したいかどうか?」をスマートフォンユーザーに質問した結果をまとめたグラフによると、AppleのiPhoneを使い続けようと考えているユーザーは70%もいるのに対して、Androidメーカーの中で過半数が「今後もこのブランドのスマートフォンを利用したい」と考えているのはSamsung(53%)とHuawei(54%)となっており、今後より多くのAndroidユーザーがiPhone XRへ乗り換えるという展開も十分にあり得ます。

Reading across that top line is shocking. pic.twitter.com/TSFZnABjrA

— Horace Dediu (@asymco)

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by logu_ii

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