2018年モデルのiPhone XS/XRは2017年モデルのiPhone 8/X以下の普及スピード

調査会社のMixpanelは、iOSのバージョン採用情報などを公開している信頼できる情報源のひとつです。このMixpanelが調査したデータによると、Appleのモバイル向けOSであるiOSユーザーの75％が最新バージョンのiOS 12を採用しているとのこと。MixpanelはOSのバージョン情報以外にも「ユーザーがどのiPhoneを使用しているか？」についてのデータも公開しており、iPhoneの各モデルが実際にどの程度使用されているのかが明らかになっています。

iPhone XS & XR adoption significantly lower than last year's models, data shows - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2018/12/08/iphone-adoption-data-mixpanel/

MixpanelはiOS端末がどのバージョンを利用しているかや、端末のモデル番号やその他の情報まで表示できるアプリおよびモバイル向けのウェブサイトを使い、ユーザーのiOS採用率やiPhoneのモデル別採用率などに関するデータを分析しています。

Appleのプロダクトマーケティング担当ヴァイスプレジデントを務めるGreg Joswiak氏は、「iPhone XRは発売以来常にトップの売れ行きを記録」とコメントしiPhone XRの好調を強調していましたが、Mixpanelの調査データでもiPhone XRは発売以来毎週「最も売れたiPhone」となっているとのこと。

以下の図はMixpanelによる、週ごとの「使用されているiPhoneモデル」の比率を調べたもの。グラフの線の色はiPhone XS(水色)、iPhone XS Max(紫色)、iPhone XR(赤色)、iPhone X(青色)、iPhone 8(茶色)、iPhone 8 Plus(緑色)、その他(灰色)です。iPhone XRの発売以降、週ごとに使用率が最も伸びているモデルがiPhone XRとなっているため、Joswiak氏の言葉通り「現在のiPhoneモデルで最も売れているのはiPhone XR」であるとMixpanelのデータは示しています。

以下のデータは同じくMixpanelによる、iPhone 8/8 PlusおよびiPhone X発売時の「使用されているiPhoneモデル」の比率を調べたデータ。グラフの線の色はiPhone 8(水色)、iPhone 8 Plus(紫色)、iPhone X(赤色)、iPhone 7(青色)、iPhone 7 Plus(茶色)、その他(灰色)です。iPhone 8は緩やかに使用率が上昇していったのに対して、iPhone Xは発売から約ひと月は驚異的な使用率の伸びを記録しています。

2018年に登場した廉価版のiPhone XRと、2017年の廉価版モデルであるiPhone 8/8 Plusの発売から5週間での使用率を比較すると、iPhone XRは1.5％であるのに対して、iPhone 8/8 Plusの使用率は3.6％で、売れ行き好調なはずのiPhone XRでも2017年のiPhone 8/8 Plus以下の数値しか残せていないことがわかります。

同じく、ハイエンドモデルとして2018年のiPhone XS/XS Maxと2017年のiPhone Xの発売から2カ月が経過した時点の使用率を比べると、iPhone Xは約7％であったのに対し、iPhone XS/XS Maxはわずか約5％にしか達していないことがわかります。2018年のiPhone XS/XS MaxおよびiPhone XRは、2017年のiPhone 8/8 PlusおよびiPhone Xよりもスローペースで使用率が伸びており、2018年の新型iPhoneの普及スピードは2017年時よりも遅いというわけです。

なお、2018年12月8日の時点で各モデルの使用率は、iPhone Xが11.39％、iPhone 8 Plusが9.31％、iPhone 8が9.22％、iPhone XS/XS Maxが約5％、iPhone XRが1.5％です。