Steamがゲーム開発者との間の収益分配率を見直し、開発者がより稼げるプラットフォームに

by Global Panorama

Valveが運営するゲーム販売プラットフォームのSteamが、同サービスと開発者が結ぶ配信契約を更新し、ゲーム開発者がこれまでよりも稼げるような収益配分に変更することを発表しました。

Steam コミュニティ :: グループ :: Steamworks Development
https://steamcommunity.com/groups/steamworks#announcements/detail/1697191267930157838

Valve’s new Steam revenue agreement gives more money to game developers - The Verge
https://www.theverge.com/2018/11/30/18120577/valve-steam-game-marketplace-revenue-split-new-rules-competition

Steamは配信契約の見直しについて、「成功したゲームとその巨大なオーディエンスが、ネットワークに与える重大な影響は常に明白であるため、Steamがそのようなゲームにとって魅力的なプラットフォームであり続けることは、ネットワークの全参加者にとっての重要な目標です」と記しています。つまり、影響力のある人気の高いゲームを開発するデベロッパーやパブリッシャーにとって、より魅力的なプラットフォームであるために収益配分を見直したというわけです。

Steamが新しく設定した収益配分は、「2018年10月1日以降のSteamにおけるゲームの収益」が一定以上に達すると収益分配率が変更されるというもの。ゲームの収益が1000万ドル(約11億円)以上に達すると、1000万ドルを超えた以降の収益分配率が75％(開発者)／25％(Steam)に調整されるというもの。さらに、収益が5000万ドル(約57億円)に達した時点で、それ以降の収益に対する収益分配率は80％(開発者)／20％(Steam)となり、よりゲーム開発者が稼げるようになります。Steamのいう「収益」には、ゲームパッケージ、DLC、ゲーム内販売、コミュニティマーケットプレースのゲーム料金が含まれるとのこと。Steamは「(この収益配分の変更は)ビッグタイトルの開発者によって生み出された肯定的なネットワーク効果に対する褒賞となり、そういったタイトル、Steamとそのコミュニティの利益の一致につながることを願ってやみません」と記しています。

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その他、Steamは売上データの機密性に関する取り組みも変更しており、パートナーにゲームの売上データを必要に応じて共有できるようになるとしています。これはSteamにおけるゲームの売上について、他の開発者や第三者、あるいは「公に話がしたい」というパートナーからの問い合わせを頻繁に受けてきたためであると記しています。

加えて、SteamはEU一般データ保護規則(GDPR)におけるユーザーデータの取り扱いについても言及しており、Steamとゲームメーカー間の顧客データに関する基本的な合意を変えるものではないと記しています。これまで通り、Valveはユーザーデータを保持し、パートナーも顧客から得たデータを保持することになるとのこと。

他にも、SteamはVRに伴う基本的な安全保証や、「セルフマーケティング／プロモーション、改良されたデータナビゲーション、Steamにおけるゲームのアクティビティや表示回数などの分析に使えるツールや機能」を開発中であること、さらには「通貨、サーバー／帯域幅用の施設、支払い方法を新たに追加することにより、世界中で市場へのアクセスを改善、拡大する努力を続けていること」も明かしています。