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Amazonが社内用に提供していた機械学習コンテンツ群を無料で公開開始


膨大な商品を扱うAmazonのストア運営や、同社のウェブサービスであるAWSなどにおいては、サービスのあちこちに機械学習を使ったAI(人工知能)が用いられています。エンジニアのスキルアップのために数々の機械学習関連の教育コンテンツを開発・提供してきたAmazonはなんと、それらツールの無料公開を始めました。

Amazon’s own ‘Machine Learning University’ now available to all developers | AWS Machine Learning Blog
https://aws.amazon.com/jp/blogs/machine-learning/amazons-own-machine-learning-university-now-available-to-all-developers/

Amazon says it’s making freely available the same machine learning courses that it uses to teach its own engineers | TechCrunch
https://techcrunch.com/2018/11/26/amazon-says-its-making-freely-available-the-same-machine-learning-courses-that-it-uses-to-teach-its-own-engineers/

AmazonでディープラーニングやAI部門のトップに就くマット・ウッド博士はアメリカ時間の2018年11月26日、Amazonの社内向けに提供していた学習コースを一般のAWSデベロッパ向けにも無料で公開することをブログで発表しました。公開された内容は大きく分けて「デベロッパ向け」「ビジネス上の決定権者向け」「データサイエンティスト向け」「データプラットフォームエンジニア向け」の4つに分かれており、30以上の教材と合計で45時間以上のムービーが含まれているとのこと。


ウッド氏によると、各教材はそれぞれの分野における基礎の解説から始まり、実際の事象に沿った実践的な内容などを通じて実用的な知識が得られるようになっているとのこと。教材には「ギフトラッピング用資材の予測」や「配送ルートの最適化」、「インターネット・ムービー・データベース(IMDb)のデータを活用して映画賞のノミネート作品を予測する方法」などが含まれています。

また、各教材を通じて学習することで、Amazonが提供しているAmazon SageMakerAWS DeepLensAmazon RekognitionAmazon LexAmazon PollyAmazon Comprehendなどのサービスを活用する知識が得られるようになっているとのこと。

実際の教材を使ってみるには、以下のサイトにアクセスします。

AWS Training and Certification - Machine Learning
https://aws.amazon.com/jp/training/learning-paths/machine-learning/

教材は全て英語ですが、日本語で「選択された言語でコンテンツをご利用いただけるよう現在準備中です」とのメッセージが表示されており、今後は日本語対応も期待できるのかもしれません。


Learning Path(学習パス)としては、前述のとおり「デベロッパ向け」「ビジネス上の決定権者向け」「データサイエンティスト向け」「データプラットフォームエンジニア向け」の4つが用意されているほか、「テスト前の準備」と「全ての教材を見る」という項目も用意されています。なお、教材を利用するためにはAWSのアカウントが必要ですが、Amazonのアカウントを持っていればすぐにAWSアカウントも開設することができます。


実際に「データサイエンティスト向け」のページを開いてみると、学習プロセス全体のパスが表示されました。最初は基礎として「機械学習のための数学」にはじまり、「データサイエンスの要素」「機械学習アプリケーションの開発」などの教材へと進むようになっています。


「機械学習のための数学」を開くと、「ベクトル」や「数列」といった項目についての解説がムービー付きで見られるようになっていました。


教材は全て英語になっているためハードルはやや高めではありますが、機械学習の分野を志す人にとって英語は避けて通れないものでもあるので、気合を入れて英語も機械学習もマスターするには良い機会といえそう。Amazonの現場で使われていたという教材に触れられるチャンスともいえるので、関心がある人は一度触れておくべきコンテンツかもしれません。

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in ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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