サイエンス

6万2000時間以上瞑想を行ってきたハイレベルな瞑想家の脳内では何が起きているのか?

by Kendal James

瞑想にはストレス耐性を高めるという精神面への効果血圧を下げて肉体的ストレスを減らす効果が存在することが知られています。そんな瞑想を一般の人々よりもハイレベルに行える人々の脳内では、瞑想中にいったいどのような変化が起きているのかが示されています。

The Remarkable Brain Waves of High Level Meditators
https://kottke.org/18/11/the-remarkable-brain-waves-of-high-level-meditators


ウィスコンシン大学マディソン校の神経科学者であるリチャード・デビッドソン氏は、「オリンピックレベルの瞑想家」たちを自身の研究室に招き、彼らを被験者として頭部に脳スキャナーを設置し、瞑想時の脳波を測定しています。研究における「オリンピックレベルの瞑想家」は、生涯に6万2000時間以上瞑想を行ってきた人々を指す模様。

調査の結果、優れた瞑想家と一般人の最も大きな違いは、脳波のパターンのひとつであるガンマ波にあったそうです。ガンマ波は脳波スペクトルの中で最も強い波ですが、その発生時間はとても短く0.5秒ほど。ガンマ波はリンゴを噛んだり、リンゴを噛んだ時にどのような味がするかをイメージしたりするたびに発生するものだそうで、リンゴを想像して脳裏に味やにおい、食感などをイメージするだけでも脳内に発生するとのこと。通常の場合、このガンマ波は非常に短い時間、断続的に発生するのが普通だそうです。

by Vinicius Amano

生涯に6万2000時間以上も瞑想を行ってきた「オリンピックレベルの瞑想家」の脳波を測定した結果、彼らの脳内では永続的に非常に強いガンマ波が発生していたとのこと。これは瞑想中だけでなく、日常のあらゆる場面で強いガンマ波が発生しているということになります。この状態によりどのような効果があるのかは記事作成時点では明らかになっていませんが、これまでにこのような状態は観測されたことがないそうです。

一般的な誤解や神経幹細胞学を払拭することで、「マインドトレーニングの手法を販売するためにデータを歪ませている」と考える読者の目を開かせ、著者らは精神的なエクササイズが生み出すことができる心地良い状態を越えて、実際の報酬が永続的な性格の特性として得られるものであることを示しています。


しかし、短い日数、それがたとえ数年レベルであっても、高いレベルのポジティブな変化を継続的に得ることはできないそうです。オリンピックレベルの瞑想家のような大きな変化を求めるには、同じようにハイレベルな瞑想家からのフィードバックや、広範囲の心理訓練、自分以外の視点からのアドバイスなど取り入れる必要があるそうです。

なお、デビッドソン氏による瞑想と脳の関係について記した書籍「Altered Traits」の共同著者であるダニエル・ゴールマン氏も、ハイレベルな瞑想家の脳で起こる反応について、Big Thinkのムービーの中で語っています。

Superhumans: The remarkable brain waves of high-level meditators | Daniel Goleman - YouTube

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in サイエンス,   動画, Posted by logu_ii

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