世界最大のソフトウェア開発プラットフォームで最も人気なプログラミング言語は何なのか？

by Alper Çuğun

コンピュータープログラムを記述するために使用されるプログラミング言語には非常にさまざまな種類があり、それぞれに特色や長所・短所を持っています。そんなプログラミング言語と密接に関わっているソフトウェア開発プラットフォームのGitHubが、「2018年で最も人気のあったプログラミング言語」についてまとめています。

The State of the Octoverse: top programming languages of 2018 | The GitHub Blog
https://blog.github.com/2018-11-15-state-of-the-octoverse-top-programming-languages/

ソースコードを共有するGitHubにとってプログラミング言語はサービスの中核を担うものであり、「いったいどのプログラミング言語が最も使われているのか、もしくは人気があるのか」といったことをGitHubは分析したとのこと。今回の調査を行うにあたって、GitHubは特定の言語にタグ付けされたリポジトリの作成者およびリポジトリそのものの数を調べたとのこと。

2008年の調査開始時点から使用されている主要言語について、人気の変遷を表した画像がこれ。2018年の時点ではGitHub上で最も多くのリポジトリがJavaScriptで作成されており、続いてJava・Python・PHP・Ruby・と続いています。JavaScriptは2008年の時点から右肩上がりでリポジトリの数を増やしており、JavaやPythonも近年人気を増していることがうかがえます。今回の調査では、実に100万近いリポジトリについて調査を行ったそうです。

また、2014年から2018年にかけての人気プログラミング言語トップ10を表した図がこれ。上位のJavaScriptとJavaは5年間変わらず、3位と4位もPythonとPHPが占めています。C++も5位か6位に落ち着いている一方で、2015年まで5位の座を占めていたRubyは2018年になると10位へ転落し、トップ10から陥落しかけている状況。2014年時点では8位だったC#は2016年に5位となり、2018年でも6位をキープしています。C言語やシェルも一定の需要を保っていますがObjective-Cは2016年を最後にランキングから姿を消し、代わりにMicrosoftが開発したJavaScriptの亜種であるTypeScriptがランキングに登場し、2018年には7位となっていました。

一般的に新しいプログラムはJavaScriptやJava、Pythonで書かれる可能性が高い一方でRubyで書かれる可能性が低いとみられ、今後も主要なプログラミング言語間の格差は開いていくのではないかとGitHubは考えています。

また、地域ごとの人気言語を表した画像を見ると、TypeScriptは南米やアフリカで人気が高いことがわかります。この現象は南米やアフリカの開発者コミュニティが、北米やヨーロッパの開発者コミュニティに対して比較的若いことが影響しているとのこと。

2018年9月30日時点で急成長しているプログラミング言語ランキングを見ると、2011年に登場したKotlinが大きな成長を遂げており、大企業の多くのプロジェクトに採用されているPowerShellも人気を増しています。

2018年に人気を集めるプログラミング言語の特徴として、まずGitHubはPythonを除いて静的型付けのプログラミング言語が人気となっている点を指摘。これは個々の開発者が大規模なプロジェクトで作業する際に、セキュリティや効率性を向上させるとのこと。また、スレッドセーフかどうかも重要視されていると述べています。

加えて相互運用性といった観点にもGitHubは着目。TypeScriptが人気を集めた理由の一つに、「JavaScriptと共存して統合できる」という点があると指摘しました。RustやKotlinといった言語が人気を集めた理由の一つにも相互運用性があるとしており、既存のコミュニティを超越してシステムが構築できる利点は大きいとのこと。

最後にGitHubは「もちろんこれらのプログラミング言語はオープンソースプロジェクトであり、GitHubで積極的に管理・維持されています」と述べ、オープンソースな言語はコミュニティ間でフィードバックを回して言語を改善していくことができるとしています。