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ボット排斥ツールの新型「reCAPTCHA v3」登場、すべてのページに導入することでユーザーの作業は一切不要にまで進化


インターネット上で暗躍する「ボット」による攻撃は多様になっており、ボットを防ぐツールとボットとの間でいたちごっこが続いています。そんな中、Googleがボット対策ツール「reCAPTCHA」の新バージョン「reCAPTCHA v3」を公開しました。reCAPTCHA v3では、サイト閲覧者は「私はロボットではありません」というチェックをつける必要さえなくなっています。

Official Google Webmaster Central Blog: Introducing reCAPTCHA v3: the new way to stop bots
https://webmasters.googleblog.com/2018/10/introducing-recaptcha-v3-new-way-to.html

「reCAPTCHA v3」の機能については、以下のムービーで説明されています。

Introducing reCAPTCHA v3 - YouTube


もしもウェブサイトを持っている場合、ユーザーを「ボット」の脅威から守る必要があります。


ボットはパスワードを入力し続けたり、スパムメールを送りつけたり、コンテンツを傷つけたりとやっかいです。


reCAPTCHAでは「ロボットではありません」と証明するチェックボックスツールを導入してボットの攻撃を防いできましたが、まだ対策は完ぺきではありません。


そこで登場したのが第3世代のボット予防ツール「reCAPTCHA v3」です。


reCAPTCHA v3ではユーザーの操作を要求する代わりに、ウェブコンテンツを「スコア化」して、攻撃の危険性を可視化します。ウェブサイトを訪問したユーザーに面倒な作業を求めないのがポイントです。


例えば、オンライン通販サイトを例にとってみましょう。


通販サイトではトラフィックが多ければ多いほど、コンバージョン(販売)につながるというわけではないことがわかってきました。「アクセスしているのが本物のお客さんかどうか」は、ショップ側には気になる事柄です。


そこで、reCAPTCHA v3ではすべての商品ページにreCAPTCHA v3を導入することを推奨しています。


例えば、ユーザーが「サインイン」「決済」「レビュー(評価)」する各メインページにreCAPTCHA v3をコードスクリプトで追加することが推奨されます。こうすることで、サイト側で「ボットがサイト内でどのように活動するのか」を可視化できるようになります。


reCAPTCHA v3にはボットの脅威を分析するコンソールが用意されており、サイト運営者はボット対策すべき場所を把握できます。「レビュー」ページでのボット暗躍が確認されると……


ボットの攻撃対象となっている正確なページや、トラフィックがどのように疑わしいのかを特定できます。


ボットがキャットフードに情報を投稿しました。


reCAPTCHAスコアが低いものとして、ボットの投稿は抽出されます。


ボットの疑いが濃厚な投稿は、スパムとして排除できます。


ボット投稿を排除することで、ユーザーレビューは信頼性を取り戻すことができます。


reCAPTCHA v3はリスク分析エンジンを導入しており、ユーザーのサイト内の行動に照らし合わせてボットかどうかを判断します。


reCAPTCHA v3を各ページに導入することで、人間のアクションかボットのアクションかを高い確率で判定できるようになるというわけです。


reCAPTCHA v3を導入すれば、サイト閲覧者に負担をかけることなくコンテンツをボットの攻撃から予防できるようになります。


ムービーで説明されていた通り、reCAPTCHA v3の最大の特長はサイトを閲覧するユーザーに負担を強いないというところです。これまでreCAPTCHAでは、ゆがんだ文字を表示して入力させたり、適切な写真を選ばせたり、「私はボットではありません」のチェックボックスにチェックを入れさせたりと、ユーザーに「一手間」を要求してきましたが、reCAPTCHA v3では、ユーザーが何かをすることは不要になっています。

reCAPTCHA v3ではユーザーのサイト内でのアクティビティを調べることで人間らしいアクションを見出し、ボットの行動パターンをあぶりだすことで、正確にボットの攻撃を特定する「Action」というコンセプトが導入されています。


reCAPTCHAの管理コンソールでは、reCAPTCHAのスコアの概要を表示したり、サイトのトップ10のアクションの統計的に分析することでボットの攻撃対象となるページを正確に特定したり、トラフィックがどういう点で疑わしいのかを提示できるとのこと。


reCAPTCHA v3は以下のページで公開されています。

reCAPTCHA v3  |  reCAPTCHA  |  Google Developers
https://developers.google.com/recaptcha/docs/v3

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in ソフトウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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