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Nintendo Switchのパズル感覚でプログラミングを楽しめる「セブン・ビリオン・ヒューマンズ」で70億の社員を優しくこき使ってみた


プログラムを組んで新入社員を動かし、与えられた仕事をこなしていくパズルゲーム「ヒューマン・リソース・マシーン」の続編となる「セブン・ビリオン・ヒューマンズ」の日本語版が、Nintendo Switchで2018年10月25日から配信されています。「1人の社員を命令して動かすスタイル」だった前作から打って変わって、プログラミング言語も新しくなると共に「集団に同時に命令が出せるスタイル」になり、難度もステージ数も大幅アップしたとのこと。果たしてどんな進化を遂げているのか、実際に遊んでみました。

Tomorrow Corporation : 7 Billion Humans
https://tomorrowcorporation.com/7billionhumans


Nintendo Switch|ダウンロード購入|セブン・ビリオン・ヒューマンズ
https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000014082


ロボット技術が発展した未来、人類はすべての労働をロボットで行うことができるようになりました。


人間はもう汗水を垂らして働く必要がありません。


まさに科学によって勝ち得たユートピア……と思いきや、仕事がないと落ち着かない人類はロボットたちに労働を求め始めます。


いつしか人間を支配下においたロボットは、人間に仕事を与えることを約束します。


ロボットが人類に用意したのは、学歴や才能に関係なく、誰でも簡単に永遠に続けられる仕事。


世界の70億の人類は老若男女問わず、すべて社員として採用されることとなりました。そんな世界で70億人の人類に仕事を割り振る役割を担うのがプレイヤーというわけ。


「ヒューマン・リソース・マシーン」では、プレイヤーは1人の新入社員に指示を与える内容でした。しかし、人類総社畜社会では、複数の社員に指示を与えて、並列的に仕事を行わせる必要があります。例えば以下の画像では、3人の社員に指示を与えます。「step」は歩かせる、「pickUp」は拾わせる、「drop」は持っているものを足元に置かせるコマンドです。コマンドをずらっと並べて再生ボタンを押して実行すると……


3人が同時に動き出します。


社員が10人に増えてもやることは同じ。指示を与えると、社員は忠実に実行してくれます。


前作では、「プログラムの行数」と「ステップ数」で仕事が評価されましたが、今作では「プログラムの行数」と「実行から終了までにかかる平均時間」で評価されます。平均時間は25のランダムテストの平均から算出するという手の込みよう。



「セブン・ビリオン・ヒューマンズ」で用いるプログラミング言語は、比較的シンプルだった前作に比べて複雑になっています。例えば「if」は前作にも登場しましたが、今作では条件をより細かく設定することが可能になりました。以下の画像で、1行目は「社員の足元に何もない」という条件文、5行目は「社員のいる場所より1マス下が穴ではない」という条件文。


足元にパネルがあればそれを拾いあげつつ前進し、目の前に穴があるとその場で立ち止まり、手にしているパネルを足元に置くようプログラミングしたところ、ちゃんとこなしてくれました。


また、今作では「メモリ」機能を使うことができるようになりました。社員は人間なので、考える脳を持っているはず。そこで、さまざまな数値を覚えさせたり、自分である程度考えさせたりが可能なコマンドも用意されています。例えば、以下の画像での「nearst」は、社員の一番近くにある数値やアイテムを、メモリに記憶させることが可能なコマンド。こちらがわざわざ指定しなくても、社員に考えさせて行動してもらえて、めちゃくちゃ便利。


実際に「nearst」コマンドを使って、社員に散らばっているパネルを回収させ、今作初登場となる「シュレッダー」に捨てさせる様子は以下のムービーで見ることができます。

Nintendo Switch「セブン・ビリオン・ヒューマンズ」でメモリ機能を使って社員にゴミを捨てさせる - YouTube


「giveTo」で持っているものをシュレッダーに捨てさせることができます。例えば以下の場合では、「nearst」で一番近いシュレッダーをメモリー2に登録。「giveTo」でパネルの廃棄を命令したのですが、何も持っていない状態でシュレッダーに向かうと……


なぜかシュレッダーに社員が身投げしてしまい、バラバラになってしまいます。人類の労働意欲に涙を禁じ得ません。今作では社員が1人ではなく複数となっているため、「作業中の社員」と「作業が終わった社員」が生まれます。そのため、作業が終わった社員がどう動くかという部分も考えなければなりません。なお、社員がシュレッダーに引き裂かれて命を落としても、仕事の評価に関わることはありませんが、時間をロスするのでなるべくシュレッダーに飛び込まないようにプログラムを考える優しさが必要です。


以下の34年目のステージ「最小はどれだ」は、4人の社員の上にずらりと並ぶパネルの中から、最も小さい数のパネルだけをシュレッダーにかけるという仕事です。このステージのポイントは「最も小さい数を4人の社員に選ばせる」というところ。もちろん社員は勝手に判断はできないので、プレイヤーが最小の数を判断できるようなプログラムを組む必要があります。


何度も試行しながらやっとのことで組みあげたのが以下のプログラム。画像の①の部分で、シュレッダーと最も近いパネルを社員に記憶させます。そして②の部分で、足元にパネルがあった場合に数を比較し、小さい方の数をメモリに上書きしていきます。最終的に壁にぶつかったら、メモリにあるものと同じパネルを拾ってシュレッダーに投げ込むのが③の部分です。いきなりパネルを拾い上げるのではなく、まずは足元のパネルをスキャンしてから、該当するパネルを選択するというわけです。


実際にこのプログラムを動かしている様子が以下のムービーで見ることができます。試行中に、7行目の「end」が不要だとわかり、削除することで、行数と時間はともに目標をクリア達成。考え抜いたプログラムを手直しして目標をクリアしたときの達成感はかなりのもの。

Nintendo Switch「セブン・ビリオン・ヒューマンズ」で34年目「最小はどれだ」のプログラムを組んでみた - YouTube


「セブン・ビリオン・ヒューマンズ」は基本的なシステムやところどころに混ぜられたブラックユーモアは前作とほぼ同じですが、動かす社員が複数人になり、プログラミング言語もより複雑で自由度が増したことによって、やり応えはめちゃくちゃアップしています。プログラミングに詳しくなくても、上司が丁寧に教えてくれるので、プログラミングをほとんど知らない編集部員でも楽しめました。


ただ仕事をこなすだけではなく、時間効率の向上を目指したり、プログラムの冗長性をなくそうと努めたりする楽しみ方も可能。シンプルに効率的なプログラムを組んだ時に「自分の組んだプログラムはなんて美しいのだろう……」と自画自賛に酔いしれるのがめちゃくちゃ気持ちいいポイントでした。

「セブン・ビリオン・ヒューマンズ」はNintendo Switchのダウンロード専用ソフトで、税込1500円で配信されています。

Nintendo Switch|ダウンロード購入|セブン・ビリオン・ヒューマンズ
https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000014082

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in レビュー,   動画,   ゲーム, Posted by log1i_yk

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