試食

江戸時代の味が限定復刻、黒砂糖を使った昔ながらの「赤福」を食べてきた


2018年10月24日から29日まで、大阪・梅田にある阪急百貨店で「あん」を使ったお菓子が大集結するイベント「時をかける『あん』」が開催されています。現地では、「お伊勢参り」のお土産の必需品ともいえる赤福が食べられるのですが、今回はなんと江戸時代から昭和初期にかけて作られていた黒砂糖を使った赤福が限定復刻されているとのこと。いったい昔の人はどんな赤福を食べていたのか、歴史探訪な気持ちで出かけてきました。

第4回 時をかける「あん」 - 阪急百貨店
http://www.hankyu-dept.co.jp/honten/h/tokiokakeruan2018/index.html

阪急百貨店うめだ本店に到着。


時をかける「あん」は、9階にある祝祭広場で開催されている模様。今回は、同じフロアで「阪急ケーキショー」が同時開催されていました。


吹き抜けになっている広場で開催中のイベントの模様。平日の昼間に訪れたのですが、人の間を縫って歩かなければならないほど、たくさんの人が詰めかけていました。


このイベントでは、「あん」を使った日本各地の名店なども登場しています。


なお、イベントでは「百年老舗」「どら焼き」「あん」「あんパン」「羊羹」(ようかん)の5つのテーマに分けられたブースが作られており、その中でいろいろなお店の商品が販売されているという形態。そのため、個別店舗で出店しているのは赤福だけで、あとはパッケージに入った商品を購入して持ち帰るという形になっています。

(PDF)第4回 時をかける「あん」 - 阪急百貨店


唯一出店している「赤福」のお店はこんな感じ。店先に置かれた「かまど」がいい味を醸し出しています。


赤福は、言わずと知れた伊勢の老舗。約310年にわたって「お伊勢さん」のお膝元に店を構えています。


興味深かったのが、このパネル。現在の赤福では「白砂糖」を使った「あん」が使われているのですが、これは明治末期に登場したものだとのこと。それまでは「黒砂糖」が使われていたのですが、明治天皇の皇后である昭憲皇太后が伊勢神宮に参宮する際に赤福を所望された際に、甘みが強くて独特のクセがある黒砂糖は口に合わないのではないかと当時の赤福当主が懸念。そこで、黒砂糖の代わりに当時は貴重品だった極上の白砂糖を使ったところ、たいそう気に入られたことがきっかけで、「ほまれの赤福」が誕生し、現代に至るという歴史があるそうです。


赤福入りかき氷「赤福氷」も一度は食べておきたい一品。CMなどにも登場するちょっとドジなお侍さん「伊勢の赤太郎」を目にすると、勝手に頭の中に♪あっかふく~もちは ええじゃないかのメロディが流れてきます。


そして目を奪われたのが、レジ横にあった赤福餅を盛り付ける実演コーナー。手袋を付けたスタッフさんがあんを指先に取り、白玉団子といっしょに持ち上げ……


そのまま、寿司を握るような手さばきで赤福餅を小盆の上に盛り付けました。


この手順により、あの赤福の模様が誕生するというわけです。実演を見るまでは「ヘラ」などを使うものだと勝手に思い込んでいましたが、まさか指の形がもとになっていたとは……。ちなみに、表面に現れた3本の筋は、伊勢神宮のかたわらを流れる五十鈴川(いすずがわ)の清流を模したものだそうです。


驚きに包まれながら、レジで「赤福盆」(税込210円)を注文。盆券を手渡され、席に着いて待っていると……


数分で、赤福餅が2個とお番茶のセットが到着しました。


黒砂糖をつかった「あん」は、どこか赤みを帯びた見た目。鼻を近づけると、明らかに普通の赤福とは違う香りが漂ってきます。


ひとつ食べてみると、よく食べる赤福とは違い、甘みが増してまったりとコクのある「あん」になっていることがわかります。普通の赤福は、滑らかで上品な甘さの「あん」が舌の上でトロける食感が楽しめるものですが、黒砂糖を使ったこの赤福は、どこか「懐かしさ」を感じさせる個性豊かな甘みが伝わってくる一品。コクっとまったりした黒砂糖の甘みにあふれた赤福も完成度は高いので、心の中で「普通の赤福と、黒砂糖赤福の2本立てでこれから売っていったらいいのに……」と思いつつ、あっという間に2個の赤福を平らげたのでした。


なお、会場ではこんな感じで日本各地のお菓子が販売されており……


以前GIGAZINEでもレビューしたことがある「いかようかん」も登場。


「焼きイカか!?」と見間違えるほど本物ソックリに作られたいかようかんは、「あん」の中にコーヒーが加えられているというオリジナリティあふれる一品。「時をかける『あん』」では、インパクトのあるお菓子から老舗の味を守り抜いた一品まで数多くのお菓子が集っていました。

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in 試食, Posted by darkhorse_log

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