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Amazonの成長にブレーキか、eコマース市場ではAmazonのライバル企業が着実にシェアを伸ばしていることが明らかに

by Mike Seyfang

eコマース市場の調査会社Jumpshotが、2018年第2四半期におけるeコマース市場のレポートを発表しています。これまで一強と思われたAmazonの成長率が頭打ちとなり、その間に他の小売店が次々とeコマース市場に参入。Amazonがさまざまな商品分野でシェアを少しずつ落としていく中、ウォルマートなどのライバル企業が少しずつシェアを伸ばしていることが判明しました。

jumpshot | The Competitive State Of eCommerce Market Places - Data Report Q2 2018
(PDFファイル)http://go.jumpshot.com/rs/677-KZC-213/images/Jumpshot-Q2-Data-Report.pdf


Amazonは多くの商品カテゴリーにおいて80%以上のシェアを獲得していますが、家具・美容品・婦人服など一部のジャンルにおいては80%を割っており、圧倒的に優位とはいえません。



Amazonの商品分野別の成長率は前年同期比で平均約20%増加となっています。しかし、各分野の市場の成長率は平均しておよそ32%であり、Amazonの成長率が市場全体の成長率に追いついていないことがわかります。


一方で、Amazonのライバルであるウォルマートの成長はめざましく、「家電」「日曜大工」「食料品」「スポーツ・アウトドア・フィットネス」「美容品」「医薬品」「日用雑貨」「婦人服」の分野では、前年同期比で平均して約70%の増加を見せています。


つまり、Amazonと比較すると、ウォルマートはAmazonよりも3.5倍の成長率を見せていることになります。


2018年度第2四半期の「日曜大工」ジャンルのシェアは1位がAmazonの83.8%、2位がThe Home Depotの5.5%、3位がウォルマートの4.3%でした。しかし、前年同期比でみると、Amazonは3.0%のシェア減少となっているのに対して、ウォルマートは16.2%アップ、The Home Depotは12.2%アップとなっています。


「家具」ジャンルのシェアは、Amazonが47.0%、家具特化の通販サイト・wayfairが13.5%、続いてウォルマートが13.1%、IKEAが8.5%というシェアになっています。しかし、前年同期比成長率で見ると、Amazonとウォルマートはシェアを減らしていますが、wayfairとIKEAがぐんと成長していることがわかります。家具市場はライバルが多く、後発の通販サービスも成長している様子。


「食料品」では、やはりAmazonのシェアは大きく、81.8%とダントツです。しかし、前年同期に比べてAmazonは8.0%ほどシェアを落としていて、その代わりにウォルマートが52.3%の成長を見せていることがわかります。


「美容品」はAmazonが72.2%のシェアを握っていますが、参入するサービスが多く、しのぎを削っています。Amazonのシェアは前年同期から9.5%減少となっていますが、ウォルマートは63.2%増加、TARGETは100%増加となっていて、Amazonのシェアを奪っています。


「婦人服」は美容品以上に多くのサービスがeコマース市場に参入しており、群雄割拠の様子を呈しています。Amazonのシェアは半数を割る42.0%で、前年同期比では30%減と大きくシェアを落としています。一方で、JCPenneyH&Mなどが大きくシェアを伸ばしています。


また、JumpshotはAmazonの商品検索システムにも言及しています。Jumpshotによると、Amazonの検索結果は上位に表示されるものほど購入につながりやすいとのことで、検索結果の1ページ目の4列までが、その商品分野の売り上げの半分を占めることが判明しました。


また、Amazonで商品を検索してから実際に購入するまでの時間は、Googleで商品を検索してから購入するまでよりも長かったとのこと。Amazonでは5分以内に購入する人が19%で、購入まで30分前後悩む人が全体の31%でした。一方で、Googleからの検索では35%の人が5分以内に購入を決断しています。


また、Amazonの広告事業は2018年第2四半期で前年同期比で129%増となっていましたが、実際にAmazonのスポンサー広告のクリック率は少しずつ上昇しているとのことでした。

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in ネットサービス, Posted by log1i_yk

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