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「約38%の人々が正規じゃない方法で音楽を聞いている」など衝撃の事実をまとめたレポートが公開される

by Burst

イギリスに本拠を置く国際的な音楽業界団体の「国際レコード・ビデオ製作者連盟(IFPI)」が、世界中の音楽消費者の動向を分析したレポートを発表しました。レポートの中で、「音楽ストリーミングサービスのうちYouTubeが47%を占める」「音楽消費者全体の38%が正規の手段以外で音楽を聞いている」など、世界の音楽消費に関する衝撃の事実がまとめられています。

091018_Music-Consumer-Insight-Report-2018.pdf
(PDFファイル)https://www.ifpi.org/wp-content/uploads/2020/07/091018_Music-Consumer-Insight-Report-2018.pdf

YouTube accounts for 47 percent of music streaming, study claims
https://mashable.com/article/youtube-47-percent-of-on-demand-music-streaming/

Globally, Almost Four Out of Ten Music Consumers Are Pirates - TorrentFreak
https://torrentfreak.com/globally-almost-four-out-of-ten-music-consumers-are-pirates-181010/

2018年4月から5月にかけてIFPIが16歳から64歳までの音楽消費者を対象にした調査を行ったところ、人々が音楽を聞く時間は1週間に平均して17.8時間で、1日あたりおよそ2.5時間も人は音楽を聞いているとのこと。また、音楽消費者のうち86%がオンデマンドの音楽配信サービスを利用しており、75%の人々はスマートフォンを音楽を聞くデバイスとして使っていることがわかりました。

16歳から24歳の若年層に「もし1つの手段でしか音楽が聞けないなら何を選ぶか」と質問すると、50%が「音楽配信サービス」と回答。音楽配信サービスにはYouTube MusicやSpotify、Amazon Prime Musicなどさまざまなものがありますが、全体の38%ものユーザーは著作権を侵害した海賊版やダウンロードサービスなどを利用して音楽を聞いていることも、調査によって判明しています。


人々が音楽を聞くシチュエーションはさまざまで、「車の中で音楽を聞く」人々は世界に66%もいます。中でも南アフリカやドイツ、アメリカなどの国々では、75%を超える人々が車内で音楽を聞いていると回答しました。また、勉強中や仕事中に音楽を聞く人も40%ほどいることが判明。特にメキシコでは、68%もの人々が仕事や勉強の最中に音楽を聞いているとのこと。

リラックスタイム(63%)や家事をしている時(54%)、運動中(36%)などに音楽を聞く人もいる他、夜に寝る時に音楽を聞くという人も世界には19%ほどいるそうです。また、16歳から24歳の若年層において、他の年代よりも長時間音楽を聞く傾向がありました。


人気の音楽ジャンルとしては1位のポップが64%、2位のロックが57%、3位のダンス・EDMなどが32%、4位には映画のインストが30%と続きます。また、自国の音楽消費量が多い国としては日本(66%)・韓国(62%)・フランス(69%)が挙げられていました。日本では3分の2近くがJ-Popを聞いており、29%はアニメ関連の音楽を聞いているとのこと。


スマートフォンは音楽を聞くためのデバイスとしても大きな人気を集めており、消費者が音楽を聞く総時間のうち27%はスマートフォンで音楽を聞いているそうです。また、16歳から24歳の若年層に「もし、1つのデバイスでしか音楽が聞けないとするなら何を選ぶか?」という質問をすると、58%が「スマートフォン」と答えました。

音楽再生にスマートフォンを使う割合が高い国としては、メキシコ(93%)・ブラジル(92%)・アルゼンチン(89%)といった国々がランクイン。また、30%の人々はSNS上で好きなアーティストのことをフォローしていると答えています。


音楽配信サービスを利用して音楽を聞く人は世界中で増えており、全体の86%ものユーザーがオンデマンドの音楽配信サービスを利用しています。一方で音楽配信サービスにお金を払わない人々も多く、音楽配信サービスを使用する人の47%は「YouTubeで無料の音源を聞いている」と回答。他にも20%の人々は無料の音楽配信サービスを使用しており、音楽配信サービス自体にお金を払っている人々の割合は、28%にとどまりました。

また、ラジオの利用者も根強く存在していることが調査からわかりました。86%の人々がラジオで音楽を聞くと回答しており、音楽を聞く総時間のうち25%がラジオ放送によるものだとのこと。国別にラジオを使用する人の割合を見ていくと、多くの国々では80%以上の音楽消費者がラジオを利用しているそうですが、韓国(66%)や日本(50%)は世界的に見ると低い数値になっています。


残念なことに、音楽消費者のうち38%もの人々が、著作権に違反した方法で配信されたりアップロードされた音楽を聞いているとのこと。音楽業界は違法な音楽配信サービスや、YouTubeのムービーから音楽のMP3ファイルを違法に抽出する「ストリームリッピング」という手法に対抗して、訴えを起こすなどの圧力を強めています。


人口の多い中国では、96%もの人々が音楽を消費しています。ストリーミングサービスを利用する人の割合は89%、1週間に音楽を聞く時間の合計は15.5時間ほど。また、WeChat新浪微博(ウェイボー)といったSNSで好きな音楽を共有する人が多いことも示されています。


中国と同じく大量の人口を抱えるインドでは、実に音楽消費者のうち96%もの人々がスマートフォンを音楽再生に使っているとのことで、音楽消費者における割合は世界最高となっています。また、96%もの人々が著作権に違反していない音楽のみを聞いているそうで、正規の方法で音楽を聞く人の割合が多いことも判明。映画が盛んなお国柄を繁栄してか、ボリウッド関連の音楽が非常に大きな人気を集めていることがわかりました。


今回発表されたレポートを見ると、音楽業界にデジタル化の波が押し寄せてきていることは明らかです。今後、音楽業界はこれまで以上に音楽配信サービスに力を入れ、違法な音楽ダウンロードサービスや海賊版の撲滅に力を入れていくとみられています。

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in メモ, Posted by log1h_ik

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