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「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」をめぐる議論の大半はロシアの荒らしによって誘導されていたという研究結果


2017年12月に公開された映画「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」のライアン・ジョンソン監督に対して、インターネット上で繰り広げられた否定的な議論を行うアカウントの半分以上が、作品と関係ない政治的な議論や人間ではないインターネットボットによる活動だったと報告する論文が発表されています。論文著者によると、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」をめぐって議論を展開するアカウントのほとんどがロシアの荒らしによるものだったとのことです。

(PDF) Weaponizing the haters: The Last Jedi and the strategic politicization of pop culture through social media manipulation.
https://www.researchgate.net/publication/328006677_Weaponizing_the_haters_The_Last_Jedi_and_the_strategic_politicization_of_pop_culture_through_social_media_manipulation


Much Star Wars: The Last Jedi backlash was politically motivated - Polygon
https://www.polygon.com/2018/10/2/17927554/star-wars-last-jedi-backlash-study-rian-johnson-trolls-russian-bots-political-far-right


ジョンソン監督は、映画の内容に納得がいかないファンからTwitterで猛反発を受けていたとのこと。ジョンソン監督は当初批判的なツイートに対して真摯に応えていましたが、日に日に攻撃的なツイートが増えてきたため、2018年6月に一部のアカウントをブロックし、「ついにクソ野郎どもをブロックしてやったぜ、めっっっちゃ気持ちいい」とツイートしています。

I’ve started blocking assholes, and it feels soooooooo good.

— Rian Johnson (@rianjohnson)


ジョンソン監督以外に、劇中でローズ・ティコを演じた俳優ケリー・マリー・トランもまた、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」についての論争で矢面に立たされ、差別的な内容を含む激しい嫌がらせを受けたため、自身のInstagramへの投稿をすべて削除し、ソーシャルメディアへの投稿自体をやめてしまいました。


南カリフォルニア大学の研究員を務めるモートン・ベイ氏は、ソーシャルメディアで行われる政治議論にはロシアからの影響が大きいと主張していました。その主張を裏付ける一環として、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」について、ジョンソン監督に対して繰り広げられる論争を対象に調査を行いました。

ベイ氏は、2017年12月13日から2018年7月20日までにジョンソン監督へ直接ぶつけられたツイート967件を収集し、分析を行いました。すると、そのうち209件が否定的な内容であることが判明。しかも、それら209件のうち50.9%が作品とは関係ない政治的な議論に終始していて、普段から極端に偏った政治的言動や性差別・人種差別を行う荒らしや多重アカウント、プログラムで自動的につぶやくボットによって展開されていたことが明らかになりました。


ベイ氏は、これらのアカウントの多くがロシアの荒らしだと見受けられるとコメントしています。「争いを拡散するメディア報道を利用して、アメリカ社会に広範な不和と機能不全を植え付けて伝播させるというやり口は、ロシアが展開する戦略そのものです」とベイ氏は述べ、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」についてのソーシャルメディア上の議論はロシアの荒らしによっていたずらに強調されたものだと主張しています。

ジョンソン監督は論文発表を受けて、「概要で説明していることは、私がネットで経験したことと一致しています」と語っています。また、「はっきりさせておきますが、この論文は映画の好き嫌いを語るファンについて述べているものではありません。私は映画のファンとは素晴らしい議論を展開しています。映画の好き嫌いもひっくるめてファンダムです。この論文で特に指摘されているのは、ネット上で行われる悪質な嫌がらせに対してのものです」とコメントしています。

And just to be totally clear: this is not about fans liking or not liking the movie - I've had tons of great talks with great fans online and off who liked and disliked stuff, that's what fandom is all about. This is specifically about a virulent strain of online harassment.

— Rian Johnson (@rianjohnson)


「映画や音楽などのポップカルチャーがソーシャルメディア上では政治的なメッセージを伝える手段として用いられている傾向にある」と、ベイ氏は主張しています。また、ベイ氏はPolygonの電話取材に対して、「ソーシャルメディア上では、ポップカルチャーの関係者が政治的な議論に巻き込まれる様子がよく見られます。私が論文を発表した翌日に、ライアン・ジョンソン監督がそれをリツイートしたところ、右翼活動家のジャック・ポソビエック氏から『馬鹿馬鹿しく、根拠もないロシア陰謀論だ』と決めつけられました。ポソビエク氏は、政治とはまったく関係のないテーマにもつっかかる政治運動家です」と応えています。

This is one of the silliest and factless Russia conspiracy theories yet

In this “study” you looked at less than 1000 tweets, determined people to be bots with a debunked methodology, and declared users to be Russian based on little more than your own feelings https://t.co/WELQh1K1Gt

— Jack Posobiec ???????? (@JackPosobiec)

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in メモ,   映画, Posted by log1i_yk

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