撮った後でも背景のボケを簡単に調整できる「iPhone XS」「iPhone XS Max」の「ポートレードモード」新機能を試してみました

2018年9月13日に行われたAppleの新機種発表イベントでは、2018年9月21日に発売となった「iPhone XS/XS Max」の大きな売りとして「カメラ機能の強化」が挙げられていました。特に、iPhone XS/XS Maxのポートレートモードでは、写真の背景の「ぼけ」を撮影後に自由に調整できる機能が追加されているとのこと。実際にiPhone XS/XS Maxのポートレートモードで背景のぼけを調整する機能がどんなものかを触って確かめてみました。

iPhone XS - カメラ - Apple（日本）
https://www.apple.com/jp/iphone-xs/cameras/

iPhone X・iPhone XS・iPhone XS Maxを用意。iPhone XS Maxは一回り大きいサイズとなっていますが、それ以外はほとんど見た目に違いがありません。

まずはカメラそのものの性能を確かめるために、近所の花壇に咲いていた花をiPhone Xのカメラで「写真」モードからパシャリ。

続いて同じ花を同じ構図で、iPhone XSで撮影。iPhone Xと比べるとわずかに発色がよくなり、赤と緑のコントラストもiPhone Xよりやわらかく自然な写真になっているといった印象。

iPhone XS Maxで撮影したものはiPhone XSとほぼ同じ。iPhone XSとiPhone XS Maxはディスプレイサイズ以外のスペックがほぼ一緒で、カメラの性能も同じとなっているため、この結果には納得。

近くの花壇に咲いていた別の花を、iPhone Xで寄って撮影。

そして同じ花を同じ構図で、iPhone XSで撮影したものが以下。葉の緑色が明るく、ピンク色が鮮やかで、より自然で柔らかい感じになっています。実際に撮影していて、ピント合わせや明るさの調整のスピードが、iPhone Xよりもやや早いように感じました。

iPhone X・iPhone 8 Plus・iPhone 7 Plusなど、デュアルカメラを搭載したiPhoneでは、カメラにポートレートモードが搭載されていて、背景を良い感じにぼかしながら手前の人物や物を強調した写真を撮影することができます。例えば、iPhone Xで撮影したポートレート写真が以下。

ポートレートモードで撮影した写真は、通常の写真と同じ画像編集の他に、ライティングを撮影後でも調整可能です。

iPhone XS・iPhone XS Maxは、最新世代のチップ「A12 Bionic」を搭載。「A12 Bionic」は前モデルであるiPhone Xに搭載された「A11 Bionic」よりもはるかに爆速化し、1秒間に機械学習処理を5兆回行える8コアのニューラルエンジンを備えています。そのため、より複雑な画像処理が可能となり、撮影後にライティングだけではなく、絞り値も変更できるようになりました。

以下の画像はiPhone XS Maxで、ポートレートモードを使って撮影している様子。

まずは「写真」アプリからポートレート写真を選択して「編集」をタップ。

ポートレート編集画面の下に、絞り値(f)を変更できるスライドが追加されています。

fの数値が小さければ小さいほど、ピントの合う距離の範囲である「被写界深度」が浅くなり、背景や手前にあるものがぼけていきます。以下の画像は絞り値を最小である1.4に調整したところで、背景のカレンダーに書かれている文字が一切読めない程度にぼけています。

f=4.5まであげると、背景が少しくっきりします。

f=16まであげると、背景にあるカレンダーの文字が問題なく読める程度までくっきりしました。

実際のカメラで絞り値を変更すると「写真の明るさ」にも大きく影響を及ぼしますが、iPhone XS・iPhone XS Maxのポートレートモードでは、あくまでも「背景のぼけ」を左右するパラメータです。ぼけを自由に設定できることで、より広い写真表現が可能となります。

iPhone XS・iPhone XS Maxは、見た目はiPhone Xから大きな変化はありませんが、カメラ機能については確実に強化されているといえます。特にポートレートモードの絞り値調整機能によって、写真の初心者でも印象的な人物写真を撮影することが可能となっていて、誰でもより簡単に本格的な写真を撮影できるようになっていると感じました。