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「仮想通貨を法定通貨にする」と発表したマーシャル諸島に「考え直すべき」とIMFが提言

by QuoteInspector

2018年2月、太平洋上に浮かぶ小国家であるマーシャル諸島共和国において、「世界初の政府発行仮想通貨『Sovereign(ソブリン)』を法定通貨にする」という法案が可決されました。ところが、マーシャル諸島共和国の発表に対して国際通貨基金(IMF)が、「仮想通貨を法定通貨にするのは考え直すべきだ」と提言する事態に発展しています。

Republic of the Marshall Islands : 2018 Article IV Consultation-Press Release; Staff Report; and Statement by the Executive Director for the Republic of the Marshall Islands
http://www.imf.org/en/Publications/CR/Issues/2018/09/10/Republic-of-the-Marshall-Islands-2018-Article-IV-Consultation-Press-Release-Staff-Report-and-46216

Marshall Islands warned against adopting digital currency - BBC News
https://www.bbc.com/news/technology-45485685

IMF Advises Against Crypto as Legal Tender in Marshall Islands Report - CoinDesk
https://www.coindesk.com/imf-advises-against-crypto-as-legal-tender-in-marshall-islands-report/

これまでマーシャル諸島共和国では、自国の通貨として米ドルを使用していました。マーシャル諸島共和国はアメリカから毎年6000万ドル(約66億円)の対外援助を受けていますが、財政的にアメリカへの依存が強すぎるという懸念もあり、「国家としての自由を得るためのステップ」として自国通貨の発行を決定したとされています。


ソブリンはイスラエルの新興企業であるNeemaによって開発され、仮想通貨の保持者や資金源といった金融機関が求める情報も、仮想通貨の中に担保されるとのこと。マーシャル諸島共和国は2018年後半にInitial coin offering(ICO)を通じてソブリンを発行する予定でしたが、IMFは「仮想通貨を法定通貨にした場合の潜在的な利益は、経済・評判・政府にのしかかる潜在的なリスクよりも小さい」として、マーシャル諸島共和国の決定に難色を示すレポートを発表しました。

「マーシャル諸島共和国の当局は、仮想通貨を法定通貨にする決定を真剣に再考するべきだ」とIMFは主張。マーシャル諸島共和国には商業銀行が1つしかなく、仮想通貨の発行によってアメリカの銀行とのつながりが絶たれてしまう危険性があるとのこと。

by Stefan Lins

また、太平洋上の小さな島国であるマーシャル諸島は気候変動の影響を受けやすい上に自然災害が多く、外国の援助が必要な発展途上国であるという点をIMFは強調しています。マーシャル諸島共和国は米ドルとソブリンの両方を法定通貨として扱うとしていますが、ソブリンを導入した場合に発生する財務健全性上の問題とアメリカの銀行との関係悪化は、容認できるリスクではないとIMFは語りました。IMFはレポートの中で、「最悪の場合、マーシャル諸島共和国に対する援助が打ち切られる可能性も想定できる」としています。

仮想通貨の導入による外国との関係悪化が懸念される一方で、「銀行は仮想通貨を『犯罪や不正に利用されやすいのではないか』と懸念しています」と、ブロックチェーンの専門家であるデイヴィッド・ギャラード氏は分析しています。ギャラード氏によれば、銀行は仮想通貨がマネー・ロンダリングなどの犯罪行為に使われるのではないかと考えているとのこと。

大手の銀行がこのような疑念を持つのは、仮想通貨がネットワーク上で非常にスムーズにやり取りすることが可能だからです。IMFも、「マーシャル諸島共和国はソブリンの導入に際してマネー・ロンダリング対策やテロ対策を取るべきであり、そういった対策が取られなければアメリカの銀行との関係悪化につながる」と指摘しています。ギャラード氏は、「IMFの提言はマーシャル諸島共和国がソブリンを導入した場合に起こり得るリスクを明らかにしたもので、外国の大手銀行がマーシャル諸島共和国との関係を再考することはあり得るでしょう」と語りました。

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in メモ,   ソフトウェア, Posted by log1h_ik

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