Google Chrome 69のアドレスバーでは「www」などのサブドメインが勝手に省略されることが判明

Google Chromeは2018年にリリースから10周年を迎え、以前とは見た目から新しくなったGoogle Chrome 69をリリースしています。そんな最新版Chrome 69において、「URLのサブドメインである『www』を勝手に省略してしまう」という問題が発見されて話題となっています。

881410 - Incorrect transforms when stripping subdomains - chromium - Monorail
https://bugs.chromium.org/p/chromium/issues/detail?id=881410

あるChromeユーザーが、「『www』から始まるURLをChrome上部の「アドレスバー(Omnibox)」に入力すると、なぜか『www』が勝手に削除されてしまい、『www』なしのURLが表示されてしまう」という不具合を、Chromeの不具合を報告するフォーラムに投稿しました。このユーザーはGoogleの正しいURLである「https://www.google.com」を例に挙げ、本来であれば「www.google.com」と表示されるべきであるはずの箇所が単に「google.com」とだけ表示されているとしています。

それに対し、「『www』が省略されているのは、この部分がURLにおける取るに足りない部分だからだ」という意見も出ましたが、このフォーラムにコメントしている多くのユーザーは「あり得ない」と否定的な見解を述べています。あるユーザーは「プロバイダーにとって『www.domain.com』と『domain.com』は全く別のドメインであり、同じではない」と述べ、Chromeの変更を愚かなものだと非難しています。

また、ほかのユーザーは「https://citibank.com.sg」と「https://www.citibank.com.sg」という「www」の有無が違う2つのURLを挙げ、前者はページが正しく表示されないのに対し、後者は正しいページに誘導されることを示しました。この場合、ユーザーは目視で「https://citibank.com.sg」と「https://www.citibank.com.sg」の区別を付けることができないため、誤ったURLに気づきにくくなっているとのこと。

また、「www」以外にも「m」も省略されるようになっており、FacebookのURLである「m.facebook.com」には「m」が使われているため、Chrome 69のアドレスバー上では単に「facebook.com」と表示されるようになっていました。

フォーラムでは多くのユーザーから「誤作動かと思った」「変更を元に戻してくれ」「『http://www.example.www.example.com』と入力して『example.example.com』になって表示されるのは明らかにおかしい」「たった4文字を隠して何の意味がある？」といった意見が寄せられており、Chromeの変更に不満を持っている人が多い様子。

ほかにも「GoogleにURLのサブドメインを割り当てる権限などない」「『www』が取るに足りないサブドメインだなんて研究結果がどこにあるの？」「『www』の廃止がクールだと思ったマネージャーの気まぐれかよ」といった意見も多く、受け入れられない人はChrome開発者に対する拒否感を強く示しています。

Googleは「URLをなくすべき」と考えていることが報じられており、「ChromeでURLを短縮するようになったのはURL廃止に向けた一歩なのではないか」とも推測されています。

Googleはウェブを安全にするために「URLをなくすべき」と考えている

なお、「入力したサブドメインをChrome側が勝手に省略してしまう」ということではなく「アドレスバーでの表示においてサブドメインを勝手に省略している」だけなので、アドレスバーをクリックしてテキスト入力状態にすると「www」付きのURLが表示されます。