Twitterが差別発言の温床となっているのはジャック・ドーシーCEOの個人的判断が原因だとする指摘

by geralt

「Twitterのジャック・ドーシーCEOは、差別発言を行う著名人のアカウントを削除するかどうかについて、個人的意見で決定を行っている」と主張する記事を、ウォール・ストリート・ジャーナルが掲載しました。Twitterには他のソーシャルメディアで締め出しにあった著名人のアカウントがいまだ残っていますが、これらを「BANする」という担当チームの決定を、ドーシーCEOが個人的意見で無効にしていると指摘されています。

Inside Twitter’s Long, Slow Struggle to Police Bad Actors - WSJ
https://www.wsj.com/articles/inside-twitters-long-slow-struggle-to-police-bad-actors-1535972402

Jack Dorsey reportedly overruled staff on decision to ban Alex Jones - Business Insider
https://www.businessinsider.com/jack-dorsey-reportedly-overruled-staff-on-decision-to-ban-alex-jones-2018-9

差別的主張や陰謀論を唱えるアレックス・ジョーンズ氏は、YouTubeチャンネルが停止され、iOSのPodcastアプリから番組が削除され、Facebookページが閉鎖されるなどの締め出しにあっていますが、いまだTwitterアカウントは存在します。ジョーンズ氏以外にも差別発言を行っている人が多いことから、Twitterは白人至上主義・女性蔑視など、差別主義者の「避難場所」と評されることがありますが、ウォール・ストリート・ジャーナルがこの件の責任はTwitterのジャック・ドーシーCEOにあるとする記事を掲載しました。

ドーシーCEOが「ハラスメントの問題に対処する」と表明しつつも差別発言を削除しない理由は、「ソーシャルメディアは検閲を行っている」とする保守主義者たちのムーブメントにあるとウォール・ストリート・ジャーナルは説明しています。トランプ大統領はGoogleの検索結果が意図的に操作されていることや……

Googleがトランプ大統領の「検索結果を操作し、いいニュースを隠している」との発言に対し反論 - GIGAZINE

TwitterやFacebookも同様の問題があることを指摘しています。

Twitterが「このアカウントのフォロー外したら？」機能をテスト - GIGAZINE

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、複数のソーシャルメディアがジョーンズ氏を締め出したタイミングで、Twitterでもジョーンズ氏のアカウントを停止するか否かという議論が持ち上がったとのこと。Twitterの担当チームは「ジョーンズ氏のアカウントを停止すべき」という結論を出したのですが、ドーシー氏はこの決定を無効にすることを告げたそうです。

同様のことは2016年11月にも起きたといいます。この時は白人至上主義者のリチャード・スペンサー氏のアカウントについて議論されており、トラスト＆セーフティー担当チームは「スペンサー氏はアカウントを持ちすぎている」として締め出そうとしたのですが、後から議論に参加したドーシー氏は「1アカウントは残すべき」として完全な締め出しを行いませんでした。

ドーシー氏の主張は、一貫して「プラットフォームは政治的中立性を保ち、ルールを明確に、透明性を持って運用するべきだ」というもの。しかし、Twitter従業員の中には、アームズ・レングス原則の法則にのっとったドーシー氏のリーダーシップが「仕事を邪魔している」と考える人もでてきているとのこと。

ただし、ウォール・ストリート・ジャーナルの主張に対し、Twitterの最高法務責任者であるVijaya Gadde氏は「ジャックがこのような決定を無効にしたという提言は完璧に誤りです」「私たちのサービスはCEOを含む役員の個人的意見で運営されるのではなく、ルールの適用のみによって公正に運営されています」と語りました。