サイエンス

「脚の運動が健康を維持するのに効果的である」と研究者が提言


生命維持に非常に重要な役割を持つ神経系の健康は「脚に体重を加える運動をすること」で維持できるとする研究が、ミラノ・ビコッカ大学で健康科学について研究を行っているラファエッラ・アダミ氏らの研究チームによって発表されました。

Frontiers | Reduction of Movement in Neurological Diseases: Effects on Neural Stem Cells Characteristics | Neuroscience
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnins.2018.00336/full

Leg exercise is critical to brain and nervous system health – Science & research news | Frontiers
https://blog.frontiersin.org/2018/06/07/neuroscience-leg-exercise-brain-nervous-system-health/

アダミ氏らの研究チームはマウスの後ろ足を運動できないように28日間制限し、それにより生じる影響を調査。なお、後ろ足の動きを制限されたマウスには食事が満足に与えられ、毛繕いも通常通り行われていたため、特にストレスを感じている様子はなかったことが報告されています。そして、実験終了後に研究チームはマウスの脳の活動がどのように変化したかを調べるため、脳室下帯と呼ばれる脳領域を調査しました。

By Yu-Chan Chen

すると、後ろ足の動きを制限されたマウスは制限を加えられなかったマウスと比較して神経幹細胞の数が70%も減少していることが判明。また、ニューロンとニューロンの維持機能を有している希突起膠細胞(きとっきこうさいぼう)の増殖能力が低いことも明らかになりました。

研究チームはこれ以外にも、脚の運動を制限することで体内の酸素量の低下が引き起こされ、代謝が変化することも発見しています。特にミトコンドリアの活動に重要な遺伝子であるCDK5Rap1が影響を受けていることが明らかになっており、研究チームはこの遺伝子の変化が代謝に影響を与えている可能性が高いと指摘しています。

アダミ氏は「この研究は寝たきりの患者や長期間宇宙空間に滞在する宇宙飛行士のように、体重をかける運動のできない人々が筋肉を失うだけでなく、神経系に悪影響を与えることを示しています」と述べており、健康の維持には脚に体重をかける運動を行うことが重要であるとしています。

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in サイエンス,   生き物, Posted by darkhorse_log

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