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Google従業員が中国向けの検閲システム付きGoogle検索の開発に抗議している

by :D

Googleは中国の厳しい検閲システムの影響を受けて2010年に中国から撤退していましたが、Google内部文書や関係者の証言から、Googleが中国向けに検閲機能付きの検索エンジンを開発していたことが、2018年8月初頭になって明らかになりました。そんな中国の検閲システムを受け入れた検索エンジンの開発に対し、Google内部からも反発の声が挙がっているとNew York Timesなどが報じています。

Google Employees Protest Secret Work on Censored Search Engine for China - The New York Times
https://www.nytimes.com/2018/08/16/technology/google-employees-protest-search-censored-china.html

Google employees are protesting the company’s secrecy over censored search engine in China - The Verge
https://www.theverge.com/2018/8/16/17702464/google-search-censorship-china-protest-project-dragonfly

中国の検閲システムに適合した検索エンジンの開発は、「Dragonfly」というコードネームで2017年春から開始されていたとのこと。一度は撤退した中国の検索エンジン市場に対し、どのようにGoogleが切り込めるのかという点に注目が集まっていましたが、Google社内では1000人以上の従業員がDragonfly開発に抗議する文書に署名する動きに発展しました。


New York Timesに文書の存在について知らせた匿名の情報提供者によれば、Dragonfly開発に対する抗議文書はGoogleの内部コミュニケーションシステム上で流通しているとのこと。文書には、「中国の検閲システムを受容した検索エンジンの開発は、Googleに緊急的な倫理とモラルの問題を提起した」と書かれており、すでに1400人が署名したとされています。Googleの従業員が自身の関わるプロジェクトや仕事について、倫理的に問題ないのかどうかを判断するために必要な情報を受け取っていないとして、文書ではDragonfly開発に抗議しているとのこと。

Google従業員の間では、「中国の人々が自由に情報をやり取りできないようにする技術の開発に、自分も知らないうちに加担させられていたのではないか?」という懸念が広がっているとのこと。文書は「Googleの従業員は、自身が何を構築しているのかを知る必要がある」と主張しており、プロジェクトに対する倫理レビューに従業員や外部の代表者が参加し、透明性を確保するべきだとしています。

by marissa anderson

「中国政府のインターネット監視システムに協力することは、中国政府に対して反発する人々の声を抑えつけ、活動家の個人情報を危険にさらすかもしれない」として、文書は中国における人権問題や個人情報のリスクについて警告を発しています。香港の活動家であるLokman Tsui氏は、Dragonflyの開発が報じられると「非常に悪いアイデアで、愚かな試みです」としてGoogleを非難しました。

Tsui氏は「過去数年間で、中国に住む人々の状況は次第に悪くなっています。自分自身を押し殺さなければ、人々は中国で暮らすこともできません。Googleの中国向け検索エンジンを実現するためには、国際的に守られるべき人権を抑圧する必要があるでしょう」と述べ、Dragonflyは中国の人々の人権を奪い去ることになるとしています。

今回明らかになった中国向け検索エンジンの開発について、アムネスティインターナショナル電子フロンディア財団といった団体も声明を発表し、Googleが中国のような人権を抑圧する国に協力することに懸念を表明しています。なお、GoogleはNew York Timesが手に入れた文書について、回答しませんでした。

by Jens Schott Knudsen

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in メモ,   ネットサービス, Posted by log1h_ik

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