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ビットコインで1000億円を手にした仮想通貨の申し子が率いる起業家たちが災害復興にあえぐプエルトリコで「ブロックチェーンの理想郷」を築こうとしている


仮想通貨で巨万の富を築いた若い起業家たちの多くが、2017年後半からアメリカ領のプエルトリコに大挙して押し寄せています。彼らはブロックチェーン技術によって、銀行や貨幣なしでの取引だけでなく選挙での投票などを実現する世界最先端の技術的な理想郷を作るのが目的だとのこと。プエルトリコで起こる、技術信奉の若い起業家たちと地元のプエルトリコ人とのせめぎあいをThe Guardianが取材しています。

The perfect storm: building a crypto-utopia in Puerto Rico - YouTube


2017年に2度の巨大ハリケーンに襲われたプエルトリコ。


いまなお、電気が復旧していない数千軒の家があります。


アメリカから十分な支援を受けることができず、災害からの復旧が進んでいないプエルトリコに、仮想通貨ビジネスを行う多くの若い起業家が流入しました。仮想通貨への投資目的もあれば、節税目的での移住ではないかなど、様々な見方がされています。


その急先鋒がBitcoin Foundationのディレクターを務めるブロック・ピアス氏。仮想通貨EOS(Block.one)のICOによって、資産は10億ドル(約1100億円)とも言われる、仮想通貨の申し子です。


「電気が使えず、食料が不足する地域のあるプエルトリコで、もちろん彼らは自分たちの手で復旧をできる。だけど、支援は悪いものじゃない。若者はすべて自分たちの手でやりたがるものだが、年を取るにつれてそれはウマい手じゃないことに気づくものだ。助けがあるなら、受け入れるべきだ。特に、助けが必要なときはね」


「プエルトリコに移住する理由は、壊滅的な被害だ」と話す仮想通貨投資家のカイ・ニガード氏。


「災害が起こる前にプエルトリコ経済は壊滅状態だったが、ハリケーンは経済だけでなくインフラさえ奪い去ってしまった」


「プエルトリコには、今やすべてをやり直すあらゆる選択肢がある」


「孤立した地に持続的なエネルギーを導入することも、巨大な"巣"を作るためにドローンを飛ばすこともできる」


「プエルトリコの経済面は、遠い昔のディスコの時代のままだ。ブロックチェーンと仮想通貨の技術は、多くの点でこれらを一新するだろう」と語るのは、仮想通貨トレーダーで伝道師でもあるホーサン・ハリル氏。


「私は『仮想通貨の取引を通じて、何だって可能だ』ということを教えるためにここにいる。いつの日か、プエルトリコが仮想通貨テクノロジーの中心地になると考えているよ」


アダム・クリム氏は「われわれはマーケターでもあり、テクノロジストでもある。ビジョンある者たちだ」とプエルトリコに押し寄せる自分たち起業家を表現しています。


プエルトリコに集まった仮想通貨ビジネスの起業家たちに対して、警戒心を持つ政府関係者もいるとのこと。


プエルトリコのマニュエル・ナタル・アルベロ議員は「プエルトリコ人にとって、彼らの言い分は100年前に植民地化のために来たアメリカのものと同じように聞こえます。500年前に来たスペインの言い分とも似ているように感じるのです」


「プエルトリコ人は、経済的に、財政的に、政治的に非常に弱い立場に追いやられる時が来たのではないかと心配しているのです」


「彼らはプエルトリコに大挙して、彼ら流のプエルトリコを作ろうとしている」


「それは彼らがこうあるべきだと考えるプエルトリコであって、必ずしもプエルトリコ人がこうありたいと思うプエルトリコではないのです」


「プエルトリコ人には信用できないと思うかもしれない。だけど、変化を起こすことでのみ、彼らは変化できると信じている」


「彼らが感情論から話しているとは思わないわ。けれど、最悪の状況ではボトムアップで何かを作るものだと思う」と話すのは、プエルトリコ人のクリスティン・ニーブス氏。


「その時が来れば、アメリカとの関係のおかげで私たちは助けられる、という考え方が長い間正当化されてきた」


「その時は来た。けれど何も起こらなかったわ。私たちは政府の災害復興プランを待つことはできないの」


「自分たちでやるしかない」


「『BoxPower』はミレニアル世代の若い人たちで作られたの」


「太陽光発電パネル、バッテリー、ディーゼル発電機などを含んだシステム」


「これまでただ電力を受け取るだけだった住民が、自分たちで電力を作ることができ、もしかするとそれを売ることができるかもしれない。とてもクールだわ」


ピアス氏をはじめとする若い仮想通貨起業家たちは、プエルトリコを仮想通貨によって再生する「Restart Week」という会合を始めました。


「仮想通貨、ビットコイン、ブロックチェーンはやりたい事のほんの一部にすぎない。ここに大学を作る。プエルトリコ人には学費を大幅にカットだ。プエルトリコにフォーチュン500企業を生み出す教育を行う」と、ピアス氏たちは壮大なビジョンについて語り合っています。


Restart Week主催者のティム・ルイス氏は「私たちはテクノロジーを愛している。そして、私たちが愛するテクノロジーを愛する人たちを愛するだろう」と話します。


Restart Weekでは、地元住人も招いてディスカッションが行われました。


仮想通貨やブロックチェーンなどの技術によってプエルトリコにもたらされる将来を熱弁するピアス氏。


しかし、地元住民の反発は小さくありません。


「私は人生をプエルトリコにささげてきた。それはブロック(ピアス氏)が奮い立たせてくれたからだ。夢は向こう側にあると思っていたが、今ではここにあると知っている。どうか、テクノロジーがあなたたちにできることを共有させてほしい」


「私たちはあなたたちを必要としていないというのではない。アメリカ人にいてほしくないということでもない。私たちは、あなたたちにプエルトリコ人のやり方に従ってほしいだけなの。他の国と同じように」


比較的テクノロジーに好意的なニーブス氏は「Crypto-Bro(仮想通貨の起業家たち)はとても素早く『どれくらいのお金が欲しい?』と尋ねたわ。でも、それはプエルトリコ人にとっては速すぎると感じるの」


「友情を買おうと急ぐことはできない。友達はお金で買えないもの。信頼関係を築かなければいけないわ」


「植民地化や資本主義の惨劇など、たくさんの懸念がある。だが、私たちはローカルコミュニティをサポートしたいだけなんだ」


「彼らはどこか尊大で、世界を変える次のモノに大興奮している。でも、それでは多くのことがダメに終わるわ」


「(仮想通貨の機会を逃せば)何かを正すことについて次の世代はノーチャンスだ。今やノーチャンスだ」


「カリブ海のすべての他の国は、我々を望んでいる。つまり、プエルトリコ人が望む限り、私はここにいるということだ。そうでなければ去るのみだ」とピアス氏は語りました。


ピアス氏と仲間のブロックチェーン起業家は、プエルトリコの再建プログラムから離れつつあります。今なおプエルトリコ政府は、税制優遇政策によってアメリカからの移住にインセンティブを与え続けています。

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