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Amazon Echoの音声認識機能で買い物するユーザーはほとんどいないことが明らかに


AmazonとGoogleがスマートスピーカーをリリースして以来、2社は声だけで商品を購入する「音声ショッピング」の利便性を声高に宣伝しています。音声ショッピング市場はわずか数年で400億ドル(約4兆4000億円)もの市場にまで成長するとコンサルティング会社のOC&Cが予測していますが、2018年8月時点ではほとんのどユーザーがスマートスピーカー経由での音声ショッピング機能を使用していないことが明らかになっています。

The Reality Behind Voice Shopping Hype — The Information
https://www.theinformation.com/articles/the-reality-behind-voice-shopping-hype

Amazonのスマートスピーカー「Amazon Echo」には音声認識AIの「Alexa」が搭載されていますが、このAlexaを使って音声ショッピングを行ったことのあるユーザーは「Amazon Echoユーザー全体のわずか2%」であることがAmazon内部からの情報により明らかになっています。なお、Amazon Echoシリーズは累計5000万台を売り上げているとのことで、その2%となると100万台でしか音声ショッピングが行われていないということになります。


また、Alexaの音声ショッピング機能を使って何かを購入したことのあるユーザーの90%が「1度しか音声ショッピング機能を使っていない」とのことです。なお、音声ショッピング機能を使っているユーザーはペーパータオルや洗剤といった日用品を購入する傾向にあります。

加えて、デジタルマーケティング企業のVaynerMediaでマーケッターとして働くパトリック・ギブン氏は、商品ブランドから「AmazonのAlexaやGoogleアシスタントを通して多くの製品を売りたい」と相談されると、「あまり多くを期待しないように」と返答するそうです。さらにギブン氏は、「我々は音声ショッピングという市場はまだ学習段階にあるものだと考えており、近い将来に一定以上の売上が見込めるような場所ではないと考えています」と、音声ショッピングはまだ大きな売上が見込める市場ではないと指摘しています。


それではAmazon EchoやGoogle Homeといったスマートスピーカーのユーザーはどのような機能を使っているのかというと、天気に関する簡単な質問を行ったり、タイマーをセットしたり、音楽やラジオを流したりするのが一般的だそうです。また、Amazon EchoやGoogle HomeはIoT製品のハブとしても機能するので、スマートライトやスマートロック、サーモスタットなどの管理に使用されるケースも多い模様。なお、AmazonによるとサードパーティーのAlexaスキル開発者たちにより、4万5000種類もの音声機能が使えるようになっているそうです。

Amazonのジェフ・ベゾスCEOは、2017年に株主宛に送った手紙の中で「数千万台のEcho端末を販売した」と語っており、2018年7月に公開したプレスリリースの中では「サードパーティー製の端末も含めると、Alexa対応デバイスの数は過去1年間で3倍以上に増えた」と語っており、Amazon Echoシリーズの売上が順調に推移していることは間違いありません。

また、デジタルマーケターからはまだまだ市場として成り立つレベルではないと指摘された音声ショッピングですが、Amazonの広報担当は「何百万人もの顧客がAlexaを使ったショッピングを楽しんでいます。なぜなら、Alexaを用いた音声ショッピングは瞬間のニーズを最も的確に捉える手段だからです」と語っています。さらに、Amazonは音声ショッピングを推進するべく、プライムデーにAlexa経由で購入された商品にさらなる割引を行うなどしていました。

なお、2018年のプライムデーで最も売れた商品は「Amazon Fire TV」と「Echo Dot」だったそうです。

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さらに、調査会社のVoicebot.aiが18歳以下のアメリカ人約1200人を対象に行った調査で、スマートスピーカーユーザーのなんと26.1%が音声ショッピングを行ったことがあると回答したとしています。加えて、スマートスピーカーユーザーの約16%が「毎月音声ショッピング機能を使っている」と回答したそうです。

そのほか、コンサルティング会社のOC&Cは2018年初頭に音声ショッピングによる売上が2022年までに20億ドル(約2200億円)から400億ドル(約4兆4000億円)にまで成長すると予測。RBCキャピタルマーケッツのアナリストは、Alexaが2020年までに音声ショッピングで年間50億ドル(約5600億円)から60億ドル(約6700億円)の収入を得るようになると予測しており、実際の情報とは裏腹に音声ショッピング市場の成長を予想する声は多いようです。

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in ソフトウェア,   ネットサービス,   ハードウェア, Posted by logu_ii

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