メモ

「最も重要な失敗した会社」から学ぶ7つの教訓


AppleのAI開発のトップや技術担当の代表補佐(VP)、Googleの音声認識のトップ、Twitterの最高技術責任者(CTO)など、現代においてかなり影響力が高い名だたる企業の重鎮たちが1990年代初めに働いていた「General Magic」は、現代まで影響力を及ばせつつも2002年に業績不振で破産し、「最も重要な失敗した起業」と称されドキュメンタリー映画も制作されています。そんなGeneral Magicの経験を教訓とし、デザイナーや技術者、起業家に向けた7つのアドバイスとしてまとめたものを、アメリカのビジネス誌Fast Companyが紹介しています。

7 design lessons from Silicon Valley’s most important failure
https://www.fastcompany.com/90208070/7-design-lessons-from-silicon-valleys-most-important-failure

Fast CompanyはiPhoneの共同開発者トニー・ファデル氏やオバマ政権下で初の女性CTOとなったミーガン・スミス氏など、General Magic出身の著名人6名と話をし、「経験と失敗から何を学んだか」を聞き取りました。

◆1.新しいパラダイムを発明するのを恐れない
「General Magicはユーザーのニーズに基づくことを根本原則としており、それを実現するための技術開発を目指しました」と、AppleにおけるAI開発の責任者ジョン・ジャナンドレア氏は述べています。「これまでにない物を発明する場合でも、実際のユーザーの問題を解決してください。新しい技術というものは全て、人々がより技術にアクセスしやすくするためのものです」と、ユーザーの視点に立つことを強調しています。

by TechCrunch

◆2.小さいものごとに取り組むことを忘れない
「たくさんのことを手がけ、増長し、野心的になりました。よりよいものを作ろう、よりパワフルなものを作ろう、よりたくさんのことをしようと考えるほどに、包括的なものをつくりたいという誘惑は圧倒的なものになります」と、General Magicのマーケティング責任者で、マッキントッシュ開発の初期メンバーを務めたジョアンナ・ホフマン氏は言います。「壮大なビジョンを持つことは素晴らしいことですが、実装は段階的に行わねばならず、あまり多くに取り組むことはできません」


◆3.最も重要な人物がユーザーであることを忘れない
マッキントッシュのソフトウェアをリードした「Software Wizard」ことアンディ・ハーツフェルド氏は、「収益性や戦略目標よりもまず、ユーザーを配置するべきです。自分が他の何よりもほしいと思うものに取り組むべきであり、そうすれば一般的なユーザーが何を求めているか理解できるはず」と言います。

また、ファデル氏も「聴衆のことを真に理解してください。私たちはかつて自分たちに向けてデザインをし、優れたユーザーインターフェースを構築しましたが、それは私たちが求める限りにおいてでしかなく、社会が何を求めていたかを理解できていなかった」と述べています。


◆4.批判を受け止め、アイデアを洗練させる
「一切のプレッシャーなくして、アイデアは鋭くならない」と、General MagicのCEOであり創設社のマーク・ポラット氏は批判の大切さを説いています。批判や否定意見を拒絶して落ち込むことなく、それらを見直すことができるならば、批判者たちは無料のコンサルティングとして役立ってくれるとのことです。

◆5.精通した人から学ぶ
「偉大な成果を収めた並外れた人からは、多くを学ぶことができます。初心者のころから習熟するまで、どのような道のりを進んできたのか考える事が重要です。見習いの機会をつくることで、どんな仕事に従事したいかだけではなく、学びを得られる素晴らしい仲間を探すことができます」とスミス氏は述べています。


◆6.悲観的な楽観主義者になり、希望を失わないこと
ファデル氏は「私は悲観的な楽観主義者、または慎重な楽観主義者です。常に希望を抱き続けることが大切です」と述べています。新しいものの開発にはさまざまな問題が立ちはだかりますが、それでも発展を進めるためには、絶望の谷を越えて人々を動かさなくてはなりません。

◆7.技術的な失敗を認め、その解決のために奮闘すること
技術的な発展にはさまざまなリスクが付きまといます。そのため、生んでしまった失敗をはっきりと認識しつつ、その解決のために努力することが重要です。ハーツフェルド氏は、「あらゆる人の手にコンピュータを行き渡らせたことで、結果としてコンピュータが自由や民主主義を覆すために使われてしまっているというのは、非常に恥ずべき問題点です」と述べています。またスミス氏も同様に「General Magicにおいても、Macの開発チームにおいても、その機会に関われたことを素晴らしく思うと同時に、平等や民主主義という、より核となる価値を守らなければならないという技術的な難問に直面してもいた」と、失敗があったことを認めています。

ファデル氏は「何かを変えたいと思う時、リスクを負わなくてはならない」としつつ、「かといって速く動いて壊してしまうわけにも、分析に時間をかけすぎて行動に移せなくなるわけにもいきません。危険を冒しながら動くと間違いをします。できるだけ早くそれらを修正し、理想的にデザインすることが大切です」と述べています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
iPhone登場前の1994年にスマホを作った「GENERAL MAGIC」が「最も重要な失敗した企業」と呼ばれる理由を描いた映画予告編が公開中 - GIGAZINE

「エネルギーは感染する」「アイデアを生み出す人と知り合うこと」、Googleの元CEOエリック・シュミット氏が「新しい働き方」について語る - GIGAZINE

スタートアップのプロが起業に関するアドバイスをまとめた「Startup Playbook」 - GIGAZINE

Appleのようなハードウェアの製造がなぜスタートアップには不可能なのかという知られざる理由 - GIGAZINE

Googleを創った最初の社員の21人は今どこで何をしているのか? - GIGAZINE

Appleから独立した6つの企業はその後どうなったのか? - GIGAZINE

in メモ, Posted by log1e_dh

You can read the machine translated English article here.