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3Dプリント銃の設計データ公開許可は銃社会に何をもたらすのか?


3Dプリンターで出力できる銃の設計データの公開を巡って、アメリカ司法省とデータを公開を求めるコーディ・ウィルソン氏との間で起こっていた訴訟で、2018年6月29日に電撃的に和解が成立しました。これによって、3Dプリンターで製造可能な銃のデータがインターネット上で公開されることになりますが、銃社会に与える影響を懸念する声があがっています。

Americans can legally download 3-D printed guns starting next month - CNN
https://edition.cnn.com/2018/07/19/us/3d-printed-gun-settlement-trnd/index.html

「誰もが銃を自宅で製造すべき」という主義を掲げ、オープンソース銃の世界の象徴的存在のコーディ・ウィルソン氏がどんな人物でどのような活動をしてきたのかは、以下の記事を見ればわかります。

「世界で五指に入る危険な男」は「自宅で3Dプリンターを使って銃を製造するべき」と主張する28歳 - GIGAZINE


そのウィルソン氏が司法省と急転直下で和解しました。

銃の3Dデータ配布を巡る訴訟で司法省が和解に同意、データ配布を認める - GIGAZINE


司法省とのトラブルを解決したウィルソン氏は、Defense Distributedのトップページで、「アメリカ司法省との長年にわたる法廷闘争で合意に達した。ダウンロード可能な銃の時代が正式に始まる」と述べ、3Dプリンターで出力可能な銃のデータを2018年8月1日から公開することを明らかにしました。


突如、成立した和解について、ウィルソン氏側代理人のアラン・M・ゴットリーブ弁護士は、「我々は無理なものを欲しがっており、政府はそれを拒絶すると考えていました。政府はあらゆる手段で我々と戦ってきましたが、突然、テントはたたまれました」と述べています。一部の軍事兵器級の銃を除いて3Dプリンターのデータの公開を全面的に許可するとの和解内容で訴訟が終結したことは、ウィルソン氏やその代理人にとっても予想外の出来事だったようです。

状況が大きく変化したことは、トランプ政権が原因だという見方があります。銃規制を求めるBrady Campaignのエイブリー・ガーディナー氏は、「トランプ政権がほとんど注意を払うことなく密かな取引に応じたことは驚きであり、失望させられました」と述べ、銃を所持する権利の保障を強めようとするトランプ政権の政治的な判断があったとのではないかと疑っています。


司法省からの許可を得たウィルソン氏は、2018年8月1日に3Dプリンターで出力できる銃データを公開することになり、シリアルナンバーがなく政府関連機関が追跡することが事実上不可能な「Ghost Guns(ゴースト銃)」と呼ばれる自作銃の製造の道が大きく開かれることになりそうです。

ただ、ウィルソン氏は「まだ、銃を保持したい人たちの手に届く位置にはない」と述べています。データが公開されたとしても、それを実際に製造するためには大型の3Dプリンターや一部の銃部品が必要で、「誰でも簡単に自宅で銃を作れる」という世界がすぐに実現するわけではないとのこと。とはいえ、公開されるデータが銃製造を試みる人たちにとって良い材料になることは間違いなく、自分で銃を製造できる世界に向けた第一歩となるとウィルソン氏は考えています。

これに対して、ガーディナー氏は、公開されるデータによってテロリストや犯罪歴のせいで銃を所有できない人の手に銃が渡る事態をまねくのではないかと懸念しています。「アメリカに住むすべての人がそのことを恐れるべきだと思います」とガーディナー氏は述べています。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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