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数学は「編み物」から学ぶことができる


数学は即座に答えが出るものではなく、公式を覚えても応用が難しいことから「苦手」と感じる人が多いものです。チャタム大学で数学の教授を務めるサラ・ジェンセン氏によると、数学が苦手な人でも編み物を使用すれば、数学に対してより深い理解が得られるとのことです。

Why I teach math through knitting
https://theconversation.com/why-i-teach-math-through-knitting-95896?xid=PS_smithsonian

The best way to learn math is with your hands — Quartz
https://qz.com/1330224/the-best-way-to-learn-math-is-with-your-hands/

ジェンセン氏は「ガーデニングやスポーツ、料理、工芸など幅広い分野で数学を理解するためのヒントが隠されています」と語っており、これを数学が苦手な学生たちに伝えるため、チャタム大学で「編み物の数学」という名前の講義を行っています。


この講義は実際に手作業で何かを作ったり、学生同士でディスカッションなどをしたりする中から数学を学びとることを目的としています。このため、講義内でテキストや電卓を使用することは一切ありません。ジェンセン氏は「学生たちは現実世界での作業を通して数学を学ぶことで、座学で得る知識よりも深い理解を得ることができます」と述べています。

ジェンセン氏が実際に行っている講義の中には、柔らかい素材で作られたものの多くが円形になる「Rubber-Sheet Geometry」と呼ばれる理論を理解するため、帽子を実際に編むというものがあります。実際、編み針で帽子を作っている時は三角形の帽子を編んでいるように見えるのですが、編み針を外すと丸い帽子に変化。学生たちは自分の手で作っていた三角形の帽子が、丸い帽子に変化する様子を自分の目や手で体験することになるので、座学で学ぶよりも大きな収穫を得ることができるそうです。


ジェンセン氏は「帽子を編む授業で教えている代数的位相幾何学は、本来チャタム大学で数学を専攻する3年生~4年生の学生にだけ教える内容です。しかし、数学を専攻していないからという理由だけで、代数的位相幾何学を他の学生に教えてはいけないということはありません」と語り、専門性の高い講義だからといって差別化する必要はないとしています。また、同氏は「この講義のように実践しながら数学を学習することで、座学で学ぶよりも深い理解を得られることが多くの研究で示されています」とも述べています。

ジェンセン氏の講義では「帽子を編むと円形になる」という内容以外に「無限マフラーを編むと編み針を外しても円形にならない」ものや「編み物から方程式を学ぶ」といったものもあり、基本的なものから応用的なものまで幅広く学ぶことができるそうです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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