サイエンス

マルチビタミンのサプリは心臓病や脳卒中にまるで効果なしと判明

by lqiuz | Pixabay

複数のビタミンやミネラルを含有した「マルチビタミン」のサプリを心疾患の予防として摂取している人がいますが、新たに行われた研究で「マルチビタミンは心疾患による死を防ぐことができない」という調査結果が発表されました。

Multivitamins do not promote cardiovascular health | American Heart Association
https://newsroom.heart.org/news/multivitamins-do-not-promote-cardiovascular-health

Stop Taking Multivitamins to Help Your Heart. Researchers Say They Don't Work.
https://www.livescience.com/63019-multivitamins-heart-health.html

研究チームはこれまでに発表された18の研究を分析し、マルチビタミンやミネラルのサプリと特定の心血管の問題との関連性について調査しました。調査対象となったのはアメリカ・日本・フランス・スウェーデン・ドイツの5カ国にわたる200万人以上のデータで、データの追跡期間は平均12年とのこと。この調査の結果、「マルチビタミンの摂取は心臓発作や卒中、心疾患による死を防ぐことができない」と研究チームは結論づけました。研究結果は「心疾患の予防法としてマルチビタミンを使用することを推奨しない」とするアメリカ心臓協会のガイドラインと一致しています。


アメリカではマルチビタミンの摂取が人気を集めており、アメリカ人口のうち30%が摂取しているといわれています。そして、その中には心疾患の予防を目的として摂取を行っている人もいるとのこと。

研究を率いたアラバマ大学のJoonseok Kim医師は「マルチビタミンやミネラルのサプリが心疾患を予防しないと人々を説得するのは非常に難しいことでした」「この研究結果がマルチビタミンやミネラルのサプリの常用者を減らし、心疾患のリスクを減らすことが既に立証されている『果物や野菜を食べる』『運動する』『タバコを避ける』といった方法を奨励する助けになることを願います」と語っています。

by Noah Buscher

マルチビタミンやミネラルのサプリを摂取することは、適度な量であっても時に体に害を及ぼします。そのため、人々はそれぞれが心臓発作や卒中のリスクについて理解し、心疾患リスクを減らす立証された方法で予防プランを立ててくれる人と協力する必要があるとのこと。

アメリカでは、サプリメントが市場に出る際に安全性や効果が規制されることはありません。食品に「診断」「治療する」「鎮静する」「病気を予防する」というラベルを貼ることは禁じられていますが、あたかも健康によい影響を与えるように見えるラベルが使われることもあります。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
「炭酸飲料をやめてフルーツジュースを飲む」というのは果たして健康的な選択なのか? - GIGAZINE

多くの人は自分が見積もってるよりも50%もカロリーを多くとっていることが判明 - GIGAZINE

なぜ健康をBMIでは判断できないのか? - GIGAZINE

太っている人の方が長生きする「肥満パラドックス」が本当に意味すること - GIGAZINE

軽い運動でも睡眠の質を劇的に改善することが判明 - GIGAZINE

in サイエンス, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.