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たった100万円で運送業を開始できるビジネスオーナー支援プログラムをAmazonが開始


商品配達網の構築に余念のないAmazonが、新たにAmazon商品を配達する小規模ビジネスオーナーを支援するプログラムを開始しました。Amazonのデリバリーカーや配達ノウハウを利用することで、わずかな資金でビジネスオーナーになれるとAmazonはその魅力をアピールしています。

Amazon Logistics
https://logistics.amazon.com/

Amazon Has a Business Proposition for You: Deliver Its Packages - The New York Times
https://www.nytimes.com/2018/06/28/technology/amazon-start-up-delivery-services.html

Amazon商品の配達業務を請け負うビジネスパートナーを募る「Amazon Delivery Service Partner」に、新たに小規模オーナーを支援するプログラムが追加されました。これは、時給18ドルから25ドル(約2000円から2800円)でAmazonの商品配達を手伝うアルバイトプログラム「Amazon Flex」とはまったくの別物で、「Amazon商品を配達する配達事業を起業する人」を支援するプログラムです。Amazonから給与を得るのではなく、Amazonと配達請負契約をする「独立したビジネスオーナー」を募るものです。


この新プログラムでは、Amazonの配達車両を借り受けることが可能だとのこと。もちろん、他社の商品配達業務を請け負うことは許されておらず、あくまでAmazonの配達業務への専従が求められています。


Amazonによると、ビジネスオーナーはAmazon車両の借り受けだけでなく配達業務のノウハウ提供など必要な支援をAmazonから受けられるとのこと。また、Amaonがビジネスオーナーに代わって交渉することで、燃料代や自動車保険などを格安料金で利用できます。そのため、1万ドル(約110万円)という運送業の開業資金としては極めて少額の元手でビジネスを始められるそうで、「40人の従業員を抱え、年に30万ドル(約3300万円)の収入を得られる」というオーナー像がモデルケースとして挙げられています。


すでにテストに参加した「成功者」の体験談も多数報告されています。プログラムを利用してビジネスを始めたというOlaoluwa Abimbolaさんは、ナイジェリアからアメリカに移り住んでからの数年間は事務職として働いていたとのこと。運送業務の経験がなかったAbimbolaさんですが、すでに40人の従業員を抱えるオーナーとしてビジネスを切り盛りしており、「夢がかなった」と述べています。


さらに、Amazonは退役軍人の受け皿としてプログラムの活用を促しています。退役軍人には事業資金として1万ドル(約110万円)を援助するとのこと。


アメリカのトランプ大統領は「Amazonは郵便公社のインフラを使っているのに運賃を買いたたいている」としてAmazonを徹底的に批判してきました。アメリカの退役軍人に資金を提供して退役後の収入を得られる機会を提供することで、Amazonはトランプ政権からの猛烈な批判をかわそうとしているようです。

I have stated my concerns with Amazon long before the Election. Unlike others, they pay little or no taxes to state & local governments, use our Postal System as their Delivery Boy (causing tremendous loss to the U.S.), and are putting many thousands of retailers out of business!

— Donald J. Trump (@realDonaldTrump)


Amazonはアメリカの20以上の州で新プログラムを開始しています。なお、新プログラム導入が始まっていない州に住む人に対しても、以下のページからプログラムへの参加を受け付けており、Amazonは新プログラムを全米中に広げる意向があるようです。

Amazon Logistics
https://logistics.amazon.com/marketing/info-getting-started


New York Timesに対してAmazonのデイブ・クラーク上席副社長は「今後、12カ月から18カ月で数百人の新ビジネスオーナーの参加を望んでいる。これが成功すれば、アメリカ以外の国でも同様のプログラムを開始する可能性は極めて高い」と述べています。

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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