ハードウェア

脱水症状や肉体的・精神的疲労を検出できるスマートマウスガード


ゼロックスのパロアルト研究所は、Appleが開発し「世界で最初に成功したGUI製品」として知られるMacintoshに大きな影響を与えたことで知られる研究開発企業です。そんなパロアルト研究所はGUIの研究開発だけを行っているわけではなく、フレキシブル・ハイブリッド・エレクトロニクス分野で急速な拡大を続けるNextFlexおよびカリフォルニア大学サンディエゴ校と協力し、唾液から脱水・疲労などの早期兆候を検出できるスマートマウスガードを開発しています。

Spit-Checking Mouthguard Can Tell if Athletes Are Mentally Checked Out | Digital Trends
https://www.digitaltrends.com/cool-tech/xerox-parc-mouthguard-saliva/

パロアルト研究所・NextFlex・カリフォルニア大学サンディエゴ校が共同で開発を進めているスマートマウスガードには、電子プラスチック箔を用いたセンサーが採用されています。この電子プラスチック箔は、運動や軍事ミッションなど、あらゆる用途で使用されるマウスガード(マウスピース)に搭載することが可能です。電子プラスチック箔を用いたセンサーは人間の唾液中に存在する乳酸塩およびグルコースを検知できるので、これらを分析した結果をリアルタイムでスマートフォンに送信することが可能となります。

パロアルト研究所の電子デバイス・システム部門のマネージャーを務めるデイビッド・シュワルツ氏は、「電子科学的センサーシステムはマウスガードに取り付けられた小型で柔軟なプラスチック箔で製造されています」とコメント。さらに、「センシングには、標的種の酵素的酸化に基づき確立された電気化学的測定技術であるクロノアンペロメトリーを用いています。なお、クロノアンペロメトリーは、高い感度、特異性、分析物濃度の定量化能力を有することで知られている手法です」と語っています。


マウスガードに埋め込まれることとなるセンサーは、乳酸塩やグルコースではなく、尿酸など他の物質を検出できるセンサーに取り換えることも可能なため、より多機能なマウスガードへ進化する余地が残されていると考えられます。また、電子部品は封入剤により唾液から保護されており、動力源となるバッテリーは無線充電できるようになっているため、電池や電極部分を完璧に密閉できるようになっているとのことです。

「誰かが人間の口内に快適にフィットするフォームファクタを作成したとして、ユーザーは本当に着用してくれるだろうか?」という疑問があったと語るのは、NextFlexの技術責任者であるジェイソン・マーシュ氏。なお、パロアルト研究所がスマートマウスガードのプロトタイプを作成し、NextFlexがそれを大量生産可能なものに改良する役割を担っているとのこと。

パロアルト研究所およびNextFlexはスマートマウスガードの商品化を目指しており、次のステップとして口腔内検査のための複数ユニットの開発を挙げています。

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in ハードウェア, Posted by logu_ii

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