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NVIDIAが「いかなる機密情報もNVIDIAの利益のために使います」と誓わせる秘密保持契約を要求、拒否したメディアが文書を公開


NVIDIAから新たな秘密保持契約(NDA)の締結を求められたドイツのITニュースサイト・heise onlineが、その契約内容を「ジャーナリズムの原則に反するものだ」と痛烈に批判し、契約書の文面を公開する事態となっています。

In eigener Sache: Nvidia-NDA als Maulkorb für Journalisten | heise online
https://www.heise.de/newsticker/meldung/In-eigener-Sache-Nvidia-NDA-als-Maulkorb-fuer-Journalisten-4091751.html

2018年6月20日にNVIDIAから新たなNDA締結を求める文書を受け取ったheiseは、その内容を確認しました。なお、NDAの契約書は英語で表記されており、ドイツメディアのheiseでは法務部が翻訳して、内容を精査したそうです。

これがheiseに送られてきたNVIDIAの文書。


NVIDIAから提供される機密情報の「3.利用制限」という項目内に、「solely for the benefit of NVIDIA(もっぱらNVIDIAの利益になるために使うこと)」という基本原則が書かれています。「solely」をどう解釈するかは議論があるところですが、「NVIDIAの不利益になる情報としては使えない」と受け取るのが自然で、heiseもその通りに受け取っています。


さらに、このNDAは「締結から5年間」もの長期間の遵守を求めてメディアを拘束するもので、文書到着から2日後の「遅くとも2018年6月22日まで」の回答を要求するという異常な内容だったとのこと。


heiseは技術ジャーナリズムにおいて、情報提供者の情報を秘匿する必要性を認めつつも、批判を許さずNVIDIAの意向に沿った記事だけを書くことを要求し、あまりにも長期間、メディアを拘束する内容は、ジャーナリズムの精神に反しており、製品批評などのメディア活動に大きな影響を与えるものだと批判しています。

NVIDIAがheiseに伝えたところによると「多くのジャーナリスト」がすでにNDAに同意しているとのこと。しかし、「独立したメディアがこのような契約書にサインすることはあり得ない」とheiseは述べて、今後、情報解禁前に製品提供を受ける権利を喪失したとしても、自らのジャーナリズムを守る決断をしています。

うがった見方をすれば、今後、NVIDIAから機密情報を受け取るメディアは、このNDAを受け入れたということになるわけで、「そのようなメディアが出す内容の信憑性は疑わしい」と、疑いの目がかけられる事態を招けば、NVIDIAの要求する契約条項はメディアだけでなくユーザーにとっても不利益だと言えそうです。

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