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GoogleやAppleがあなたのスマホ使用時間を減らそうとしている理由とは?


Androidを提供するGoogleやiOS端末を販売するAppleは、「digital well-being(デジタル・ウェルビーイング)」を合言葉として、ユーザーのスマートフォンの使い過ぎを解消しようと取り組み始めています。なぜ、GoogleやAppleはユーザーがスマートフォンを使う時間を減らそうとしているのかについて、NirAndFar.comのニール・アイアル氏が考察しています。

The Real Reason Apple and Google Want You to Use Your Phone Less
https://www.nirandfar.com/2018/06/google-apple-less-phone-use.html

Googleは開発者イベントGoogle I/O 2018で、Android端末の利用時間をユーザーが視覚的に理解できるように「ダッシュボード」機能を発表しました。これは、世の中に「スマホ中毒」の人が増え、スマートフォンなどのモバイル端末の使い過ぎで健康を害する例が増えてきたことから、デジタル端末の過度な利用を避けることで健康を維持するという「デジタル・ウェルビーイング」という考え方から導入された機能です。


Appleも開発者会議WWDC 2018で、「Screen Time」というユーザーのモバイル端末の利用時間を可視化する機能を発表しました。Googleと同様、iPhone中毒のユーザーの健康被害を避けることが狙いです。

GoogleやAppleがユーザーのスマートフォン利用時間を制限しようとする動きを疑問に思う人もいるかもしれません。GoogleやAppleは、ユーザーがスマートフォンを利用することで広告を表示したりアプリを販売したりして利益を上げているため、一見、ユーザーがスマートフォンを使えば使うほど利益が上がる構造に見えるからです。スマホ中毒者を増やすことで、今まで以上に巨額の利益を生み出せそうにも思えます。

しかし、アイアル氏によると、スマホ中毒者を生み出すことはGoogleやAppleのビジネスにとって不利益につながるとのこと。イノベーション(技術刷新)の歴史を見ると、意図しない害悪を引き起こすことがしばしばあり、これをポール・ビリリオ氏は「船を発明すれば、必ず難破船も発明してしまう」と表現しています。そして、極めて例外的な事例を除けば、製品が人に危害を及ぼす場合、消費者のとる行動は「使わなくなる」か「より良い別の選択肢を探す」ものだとのこと。つまり、スマホ中毒が社会現象になりつつある中で、心身の健康を害するという事実が周知されれば、人々はスマートフォンを使わなくなるか、別のより良い製品を求めるようになってしまい、結局、スマートフォンで利益を上げるGoogleやAppleのビジネスにとって大きな損失になり得るというわけです。


かつて自動車メーカーは、自動車の普及に伴って交通死亡事故が多発したときに、シートベルトを導入しました。現代ではシートベルトの着用は法的に義務付けられる国がほとんどですが、実は法律ができるよりも先に自動車メーカーがシートベルトを自動車に装備して、着用を促したとのこと。そのため、シートベルトの義務付けに対して、自動車利用者からのさしたる反発もなく、交通ルールとして無理なく定着したそうです。

自動車メーカーが自動車を安全にすることにインセンティブを持つのと同じく、GoogleやAppleはスマートフォンの利用によってユーザーに害悪が及ぶのを未然に防ぐインセンティブがあるのだとアイアル氏は述べています。

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