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「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」はスター・ウォーズの新たな歴史を生み出す作品であるという主張


2017年に公開された「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」は「スター・ウォーズ」シリーズ本編の8作目です。この「最後のジェダイ」がそれまで続いてきた「スター・ウォーズ」シリーズの流れを断ち切ったことが登場人物の心情変化から読み取れると、Lesson from the Screenplayのシナリオ講師であるマイケル・タッカー氏がムービーで主張しています。

The Last Jedi — Forcing Change - YouTube


「最後のジェダイ」を見てからまだ動揺が続いているというタッカー氏は、この作品には「スター・ウォーズ」シリーズの歴史を大きく変える意味合いがあると考え、自分の考えを整理するためにこのムービーを作成したと語っています。


タッカー氏が注目したのは、元ストームトルーパーでしたが銀河帝国軍から離反し、レジスタンス軍と行動を共にするようになった青年・フィン。


そもそも「最後のジェダイ」は、エピソード5である「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」との類似点が指摘されています。以下の画像左が「帝国の逆襲」の主人公であるルーク・スカイウォーカーで、右が「最後のジェダイ」の主人公であるレイです。


例えば、どちらの作品でも主人公がはるか遠くの地でフォースの修行を行います。


主人公といまいち反りが合わない伝説級のジェダイが師匠になるという点も同じ。


ルークもレイもフォースを習得するために過酷な修行を行います。


主人公が修行している一方で、仲間たちが話を進めていく点も共通しています。


「帝国の逆襲」ではハン・ソロとレイア姫、「最後のジェダイ」ではフィンとローズが銀河を冒険します。


また、「帝国の逆襲」のランド・カルリジアン、「最後のジェダイ」のDJのように、いまいち信用できない怪しい人物が助っ人として登場する点も同じ。


「帝国の逆襲」のハン・ソロとレイア姫は常に反目し合うも次第にひかれあうという描かれ方をしています。


「最後のジェダイ」のフィンとローズも出会った当初は凸凹コンビだったのが、やがて仲間として信頼し合うようになります。


しかし、タッカー氏は「最後のジェダイ」のストーリーには「帝国の逆襲」との大きな違いがあり、その一つがフィンのキャラクター設定だと主張しています。


フィンは作中でローズが止めるのも聞かず、自分の命を犠牲にしてまでレジスタンス軍を助けようとします。しかし、フィンがなぜレジスタンス軍のために自分の命を投げ打とうとしたのか、その意識の変化が明確に描かれていない、とタッカー氏は指摘しています


フィンの心情について、「最後のジェダイ」の監督であるライアン・ジョンソンの証言が引用されています。「フィンは帝国軍のファーストオーダーを離反したが、実はレジスタンス軍に加入していないという解釈を私は本当に気に入っています」


「スターキラーの情報を提供して潜入するなど、フィンの『フォースの覚醒』での功績は、レジスタンス軍を助けるためではなく、レイのためにやったことです。彼の動機はいつもイデオロギーではなく個人的なことです」


フィンがレジスタンス軍に加入しているつもりがないということは劇場公開版では描かれませんでしたが、未公開シーンでフィン自身が共和国軍のベテランパイロットであるポー・ダメロンに対して語っています。


フィンは帝国軍を脱出しようとした直後、帝国軍に捕らえられていたポーにレジスタンス軍を助けようと呼びかけます。


フィンは一貫してレジスタンス軍にとどまろうという意見を示しますが、それに相反するような彼の考えは決して彼の口から語られることはありません。ローズやDJなど、他の人物が他の立場からの意見を言うことはありますが……


それらの意見がフィンに影響を及ぼす様子はありません。


例え裏切りにあって危機的状況にあっても、彼は特に苦悩することなく、裏切りを「間違っている」と断言し、レジスタンス軍と行動を共にし続けます。


フィンというキャラクターがとても魅力的だからこそ、前作「フォースの覚醒」で見られた「レイを助けるため」というフィンの動機が、「最後のジェダイ」ではいつの間にか「レジスタンス軍を助けるため」にすり替わってしまっていることで、前作を見ていたファンは混乱してしまうとタッカー氏は論じています。


また、カイロ・レンの心境の変化はシリーズで最も大きいものであり、「最後のジェダイ」の中でも最高のシーンを生み出しているとタッカー氏は指摘しています。


ルーク・スカイウォーカーを演じたマーク・ハミルはインタビューで「観客が何を望んでいるのか、何を求めているのかを考える必要があります。私たちは観客が思いもよらないものを描かなければなりません」と発言しています。


「フォースの覚醒」が風呂敷を広げたまま多くの謎に対して解答を示さず終わったのに対して、「最後のジェダイ」ではひとつひとつ解答を示しつつ、これまでの「スター・ウォーズ」で積み上げられてきたさまざまな可能性を排除したとタッカー氏は指摘しています。また、フィンの心情変化は「最後のジェダイ」の「過去を捨てる」という作品的意義が表れたひとつであり、これからの「スター・ウォーズ」の展開に期待するべきだとタッカー氏は論じています。


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in 動画,   映画, Posted by log1i_yk

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