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ハーバード大がアジア系学生を入試で不利に扱っていたことが明らかに


アメリカの名門・ハーバード大学が、入学審査においてアジア系アメリカ人学生のパーソナリティ評価点を意図的に低く採点することで、差別的な取り扱いをしていたという証拠が裁判で提出されました。

Harvard Rated Asian-American Applicants Lower on Personality Traits, Suit Says - The New York Times
https://www.nytimes.com/2018/06/15/us/harvard-asian-enrollment-applicants.html

非営利団体のStudents for Fair Admissions(SFFA)がハーバード大学を相手取って、「ハーバード大学がアジア系アメリカ人受験生に対して差別的な取り扱いを組織的に行っており、この人種に基づく差別的取り扱いは、アメリカの公民権法に反する」として、2014年にマサチューセッツ州の連邦地裁に提訴していました。

SFFAの主張は、ハーバード大学がアジア系アメリカ人の入学者数を減らす目的で、評定点を意図的に低くしているというもの。この主張に対して、ハーバード大学は、公民権運動後の1970年代には「人種」が選考要素として採用されており、学内の多様性を確保するための目的として正当に活用されていたと反論していました。


長らく続くSFFAとハーバード大学との裁判で、2018年6月15日にSFFAは新たに2000年から2015年までにハーバード大学を受験した16万人以上の学生記録を分析した結果を証拠として提出しました。この分析によると、アジア系アメリカ人受験生は、ペーパー試験の成績、高校での成績、課外活動のスコアなどの分野で、白人を含む他の人種、民族の受験生よりも高いスコアをつけていることが分かった一方で、学生のパーソナリティスコア(個性や人格など内面に関する評価)において、著しく低い評点が行われていたとのこと。

そして、ハーバード大学は2013年の時点で内部調査を行っており、学業成績だけで評価した場合に比べるとアジア系アメリカ人の合格の割合が著しく低く、評価において偏見があることを把握していたにもかかわらず、調査結果を公表したり、その不都合を是正したりすることを怠ったとSFFAは主張しています。SFFAの主張に対して、ハーバード大学は過去10年間にアジア系アメリカ人の合格率は29%も伸びていると述べ、SFFAの分析結果は不完全で誤解を招くものだ反論しています。


なお、「アジア系アメリカ人を差別的かつ不当に取り扱っている」との批判を受けているのはハーバード大学に限りません。2016年5月には、130のアジア系アメリカ人団体が、エール大学、ブラウン大学、ダートマス・カレッジなどいずれもアメリカ東海岸を代表する「アイビーリーグ」に属する大学に対して、「人種に基づくクオータ制」を悪用して、アジア系アメリカ人を締め出していると主張して、司法省に対して調査を要求しています。

米名門大学はアジア系を差別している | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/06/post-5371.php


アメリカでは1920年代から30年代に、ユダヤ系学生を不当に扱った反省から、黒人などの社会的な少数派を有利に取り扱うクオータ制が採用されています。このような、社会的弱者に優先権を与えるアファーマティブ・アクションについては、多様性に資するという評価がある一方で、多数派の学生にとっては「逆差別」として不当な取り扱いだという批判もあります。

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